営業利益率の目安とは?数値が低いときの4つの対処法を解説

経営者にとってビジネスを進めるうえで欠かせない利益。成果が出ないときや、思うような売上が伸びないときは「営業利益率」を見直してみると解決につながる可能性が高いです。

そこで今回は目安となる数字や、経営状態を改善するために数字を改善する方法など、営業利益率に焦点を当てて解説します。

営業利益率とは 

ご存じの方も多いと思いまますが、まずは営業利益率とは何なのか理解しておきましょう。

営業利益率とは、いわゆる「売上高営業利益率」を指します。以下の計算式から得られます。

営業利益÷売上高×100=売上高営業利益率

また、営業利益は以下の式から計算できます。

売上-原価及び販促費=営業利益

言うまでもなく、営業利益率は高い方がビジネスの面では健康的です。

売上高の数値が低いときや、原価・販促費の数値が高いときに営業利益率は低くなる傾向にあります。

ただ一概に高ければいいものでもないので、次の目安を見ながら現状のビジネスモデルを分析してみてください。

その他の営業利益率の種類

営業利益率というと、一般的には「売上高営業利益率」を指しますが、他にもいくつか種類があります。経営をするうえで知っておくべき4つの営業利益率を紹介します。

売上高総利益率

売上高総利益率は「粗利」ともいわれますが、収益性を表す指標の一つです。以下の計算式で導き出せます。

売上高総利益÷売上高×100=売上高総利益率

売上高がベースになっているので、商品にどれだけの価値があるかを確認することが可能です。この比率が高ければ、商品の収益性が高くサービスとして優秀であるとわかります。

経常利益率

経常利益率は会社の「基礎体力」を示す数値です。本業以外の収入のことであり、たとえば企業が持っている不動産からの賃貸収入などが該当します。求める際の計算式は以下の通りです。

経常利益÷売上高×100=経常利益率

経常利益率が低い場合は、売上高を抑える、もしくは経常利益を大きくするために新たな事業外収支を作る必要があります。

総資本利益率

企業の資産を元手にして収益を上げた際の利益率を「総資本利益率」といい、別名ROAとも呼びます。計算する際は以下の式を利用します。

当期純利益÷総資産×100=総資本利益率

総資本利益率が高い場合、効率よく収益が出せていることを意味します。比率を高めるためには、使用していない固定資産を売却する、もしくは売上高を上げることに注力する必要があります。

自己資本利益率

ROAと似ていますが、総資本のうち自己資本にフォーカスしているのが「自己資本利益率」です。別名ROEともいいます。以下の計算式で求めることが可能です。

当期純利益÷純資産(純資産-負債)×100=自己資本利益率

自己資本とは、貸借対照表でいう「純資産」を指します。自己資本をもとにどれだけ効率よく収益が出ているかチェックできるのが、自己資本利益率なのです。

営業利益率の目安はどのくらいか

営業利益率の目安は事業内容にもよりますが、売上高営業利益率を軸にしたときの一般的な指標を表にまとめました。

営業利益率目安状態
0%以下危険
0~5%一般的
5~10%優良企業
10~15%超優良企業
15%以上油断は禁物

それぞれの状態について詳しく見てみましょう。

営業利益率0%以下:危険

営業利益率が0%よりも低いと言わずもがな赤字状態ですので、状況を改善しないとビジネスの継続は難しいでしょう。現状の問題を分析して、早急に改善に努めることを推奨します。

営業利益率0%~5%:一般的

0%から5%の間というと数値は低く思えますが、すべての業界を並べてみると一般的ととらえられます。

とはいえ改善できることはあるので、商品の価格設定やマーケット分析、営業効率などを見直しましょう。

営業利益率5%~10%:優良企業

5%以上の営業利益率を確保できる企業はそう多くありません。

他より水準が高く「優良企業」といって差し支えないでしょう。経営面でも健全な状態と考えられます。

営業利益率10~15%:超優良企業

10~15%になると超が付く優良企業です。質の高いサービスや付加価値がある商品を順調に売っているビジネスだといえます。

優れたビジネスモデルが社会に評価され、知名度の高さを誇る会社も多いでしょう。

営業利益率15%以上:油断は禁物

営業利益率が15%以上になると一見優秀に思えます。ただ、必ずしも完ぺきとは言えません。というも、自社の利益率を重視しすぎており取引先に負担を強いていることや、サポートが十分でないが今のところトラブルが起こっていないだけなど、どこかに穴がある可能性があるからです。

数字が高いのは喜ばしいことですが、ビジネスモデル全体を俯瞰して抜け漏れがないかチェックするといいでしょう。

営業利益率が高い業界

営業利益率が高い業界にはどのような特徴があるのでしょうか。経済産業省の調査によると、売上高営業利益率が特に高い業界は以下の通りです。

・鉱業、採石業、砂利採取業:19.9%

・インターネット付随サービス業:19.9%

・クレジットカード業、割賦金融業:11.2%

・化学工業:9.6%

・情報処理・提供サービス業:8.2%

・生活関連サービス業、娯楽費:9.6%

参考:平成30年企業活動基本調査速報-平成29年度実績-

最近ではデジタル分野の発展により、情報通信に関する事業を展開している企業は高い利益率を誇ることがわかります。またこのほかに鉱業やクレジットカード、化学工業なども総じて利益率が高い分野といえるでしょう。

ただ、これらは一部の業界なので、事業を展開している分野の営業利益率が必ずしも高いとは限りません。経営している企業の営業利益率が平均的かどうか知るためには、競合他社の数値を見て分析することをおすすめします。

営業利益率が低いときの対策

営業利益率が低いときはどのような対応を行うべきか、4つの方法を見てみましょう。

営業効率を上げる

一つ目は営業効率を上げることです。営業利益率には営業部門のコストが含まれていますから、新規獲得や既存顧客のフォローにかける時間や無駄な業務を省いていくことが効率アップにつながり、ひいては利益率の向上になります。

たとえばSFAなどの営業支援ツールを活用して報告業務を短縮する、Zoomや営業メールなどのツールを使って移動時間を減らすことを心がけましょう。

サービスの単価を上げる

二つ目はサービスの単価を上げることです。他にはない強みを持った商品や、付加価値のあるサービスなら単価を上げても引き続き利用してもらえる可能性は十分にあります。もし現状そうしたサービスがないのなら、新しい商品を開発してアップセルを狙いましょう。

売上原価を下げる

次に紹介するのは売上原価を下げることです。よくあることとして、メーカーが材料を国外から安く仕入れたり、取引先を絞って大量にやり取りする分値下げに応じてもらったりすることがあります。

サービスの質が下がらないよう気を付ける必要はありますが、その分他のところに本社のメンバーが注力できるので、結果としてビジネスにメリハリがついて営業利益率が上昇することがあります。

販管費を下げる

最後は販管費を下げることです。販管費の多くは人件費が占めるため、適宜業務を外注するなどして効率よく下げていくことが必要になります。また広告費を下げて、代わりにSNSを使うといった対応策を取ることも可能です。自社の販管費は削減しやすい項目の一つなので、この機会に見直してみてはいかがでしょうか。

まとめ

営業利益率の5つの種類や目安、数値が低いときの対処法などを紹介しました。営業利益率は、ビジネスの健全さを見るうえで欠かせない指標であり、さまざまな観点から見直すことで現状の課題を改善できるきっかけになります。ぜひうまく活用していただき、自社の経営状態をあらためて分析してみてください。

参考