「マネージメントを学んでいて、ポジティブフィードバックがあると知ったけれど、どういった方法なの?」
このように疑問を感じている方もいらっしゃるのではないのでしょうか。
営業マネージャーになったばかりだと、部下に対してどのようにフィードバックをしたらいいか悩みますよね。
今回の記事では、ポジティブフィードバックのやり方をご紹介します。
また、フィードバックを活用するための注意点についても記載しています。
「ポジティブフィードバックを使ってマネージメントをしていきたい」という方は、今回の記事をご参考にしてください。
ポジティブフィードバックとは?
ポジティブフィードバックとは、部下の言動や行動から良い部分を見つけ出し、自信が持てるように肯定的な言葉で評価する方法を指します。
目的は、部下の自己肯定感を高め成長に繋げることです。
実際にフィードバックを行う場合、評価者から「できたこと」や「良いところ」を伝えます。
さらに部下自身のモチベーションを高め、持っている強みをさらに伸ばしていきます。
ただ場合によっては、成長の機会を減らしてしまうことになるので、目的を確認し合いながら、フィードバックを行いましょう。
ネガティブフィードバックとの違い
ポジティブフィードバックは、部下に対して良い点を伝えるのに対して、ネガティブフィードバックは問題や改善点を指導します。
ポジティブフィードバックに比べて難易度が高めですが、上手く伝えることができれば、部下の課題解決能力を向上させられます。
深刻なミスやトラブルが発生した際に、原因を深く掘り下げる場合に有効な方法です。
使い方によっては、部下に精神的な負担を与えるだけではなく、モチベーションを低下させる可能性が高いので、マネージメントに慣れてから使うと良いでしょう。
ポジティブフィードバックのメリット3選
ポジティブフィードバックを行うことで得られるメリットは以下の3つです。
- 部下への教育効果を高められる
- 部下の弱点を克服できる
- 部下のモチベーションアップに直結する
部下に対してフィードバックをする前によく理解をしておきましょう。
具体的にどのようなメリットがあるのかをそれぞれ説明していきます。
1. 部下への教育効果を高められる
ポジティブフィードバックを行うことで、個人目標の設定や自分の役割を理解できます。
組織の目標と関連付けることができるため、必要となるスキルや能力を個人目標として設定するとよいでしょう。
部下への教育効果が高まるだけではなく、組織力の向上に繋がります。
さらに、部下の仕事に対する努力をしっかり評価することで満足度が上がり、人材配置に活かすことも可能です。
2. 部下の弱点を克服できる
部下が弱点に思っていることに対して客観的に肯定的な評価をすると、自信をつけさせることが可能です。
例えば「君は今回のプレゼンで悩んでいるのかもしれないけれど、提案の部分がよくできていたと思うよ」と伝えてみましょう。
そして部下の強みと同時に、「部下自身が弱点だと思っているところはどこか?」を意識して、接することがポイントです。
部下の弱点を改善できるきっかけになる可能性が高いので、ぜひ意識してみましょう。
3. 部下のモチベーションアップに直結する
部下の成長や過程を評価し、強みを伝えることができれば、現状を具体的に認識できるため、モチベーションアップに直結しやすいです。
部下は上司からポジティブフィードバックを受けることで、認められたと感じて、さらに成果を上げたい気持ちが刺激されます。
自己肯定感が上がるだけではなく、仕事に対して意欲的になる可能性が高くなります。
部下の成長に繋がりやすいので、日頃から部下の様子や雰囲気を観察するようにしましょう。
【例文あり】ポジティブフィードバックバックを行う際のコツ4選
部下に対してポジティブフィードバックを行う際には、以下の4つのコツを押さえましょう。
- 目標・改善点について具体的に共有する
- 成功できた理由や行動を指摘する
- サンドイッチ話法を取り入れる
- 行動や結果をより良くするアドバイスを行う
効果的に実施するためのポイントを厳選したので、活用してみて下さい。
1. 目標・改善点について具体的に共有する
フィードバックは、目的を実現させるために組織や個人のパフォーマンスを向上させることです。
評価は個人に伝えますが、目標や改善点をチームや社内全体で具体的にどのような内容であるかを共有しましょう。
目標や課題を全体の目標として向き合うことで、組織として成長できる可能性が高まります。
フィードバックの効果を高めるためには、具体的な行動や目標を立ててチームで認識を合わせておきましょう。
2. 成功できた理由や行動を指摘する
業務の流れの中で、成功できた理由と行動を具体的に指摘しましょう。
部下に具体的に伝えることで、成功体験として感じやすくなるからです。
成功した行動をイメージしやすいように、行動全体に対する評価を以下のように行ってみましょう。
「お客様のニーズに寄り添った課題解決ができていたから売上が上がった」
「お客さまとの信頼関係が数字として結果に出ていた」
「新しい顧客担当で慣れない中、よく健闘してくれたね」
曖昧な表現ではなく、具体的に伝えていくことがポイントです。
明確に言語化して部下に伝えましょう。
3. サンドイッチ話法を取り入れる
ポジティブフィードバックの間に、ネガティブフィードバックを挟む方法を、サンドイッチ話法と呼びます。
『強みを伝える→改善点を指摘→褒める』の順番で、以下のようにフィードバックを行います。
「今回のプレゼンテーションでは毎日よく頑張ってくれたね。ただ、数値分析の部分があまかったよね。今回の企画自体は良かったので、次回は分析の改善も期待してます。」
このように話の始めと最後が前向きな内容であるため、部下のモチベーションを下げずに済みます。
しかし、ポジティブフィードバックを挟む関係で、改善点が印象に残りにくくなる場合があるのが難点です。
話が長くなりすぎないように簡潔に伝えて、部下に理解してもらえるように努めましょう。
4. 行動や結果をより良くするアドバイスを行う
フィードバックを一通り行ったところで、部下の今後の行動や結果をより良くするためにアドバイスを行いましょう。
可能な限り時間を空けずに、相手が行動や結果を振り返る前にフィードバックをすると効果が高まります。
ポジティブフィードバックをすることで、問題や改善点に対するアドバイスも受け入れやすい状態になります。
改善点を伝える場合は、ただダメ出しをするのではなく、明確に内容を伝えるようにしましょう。
ポジティブフィードバックを行う際の注意点3選
ポジティブフィードバックを行う際には、以下の3点に注意しましょう。
- 必ず理由付けしてほめる
- 人前で指摘しない
- 話が長くなりすぎないように注意する
実際に行う時には、会社や部下の特性に合わせて進めることがオススメです。
1. 必ず理由付けしてほめる
ポジティブフィードバックは、部下のやる気を上げるだけではなく、個人の成長に繋げることが可能です。
単なる印象や業務に関係ないことを伝えるだけでは客観性に欠けてしまい、部下も納得できなくなってしまいます。
漠然とただ褒めるのではなく、「どこがよかったのか」「何が良かったのか」を必ず理由付けをして相手の強みや、改善点について伝えましょう。
2. 人前で指摘しない
基本的には、人がいるところでフィードバックを行わずに、原則的には1対1で行いましょう。
可能であれば会議室を借りて、他の人に内容が漏れないように対策する必要があります。
部下が精神的に大きな負担を感じたり、自信を失う可能性があるからです。
特別な事情がない限り、人前で指摘することは極力避けましょう。
3. 話が長くなりすぎないように注意する
ポジティブな内容であっても、話が長くなりすぎないように注意してください。
話が長くなればなるほど話が分かりにくくなり、フィードバックの質が損なわれるためです。
ポジティブフィードバックは、褒める行為がゴールではありません。
自己実現を後押しして、会社に貢献できる人材に成長してもらうことが目的であることを忘れないようにしましょう。
まとめ
ポジティブフィードバックは、部下のマネジメントに役立つだけではなく、会社の成長に繋げられます。
特にポジティブフィードバックを行うコツをよく抑えておきましょう。
今回の記事ではメリットや注意点も記載しています。
いずれも実際に部下にフィードバックを行うために重要なポイントなので、1つずつ確認しながら活用していきましょう。