【企業買収(M&A)】全体的な傾向と成功・失敗事例を紹介!

企業買収(M&A)は必ずしも成功するわけではなく、慎重に検討して実行したにもかかわらず、失敗するケースもあります。しかし、M&Aを実施するなら、何としてでも成功させたいもの。そこで今回は、企業買収(M&A)の成功事例と失敗事例の両方を紹介します。

成功事例だけでなく、失敗事例にも目を向けることで、自社が企業買収(M&A)をするときの注意点を把握できるでしょう。この記事は、次のような人におすすめの内容です。

・企業買収に関する傾向が気になる人

・企業買収の成功事例をチェックしたい人

・企業買収の失敗事例を確認したい人

増加傾向にあるM&A

近年、企業買収(M&A)の件数は増加傾向にあります。企業買収(M&A)が始まったころから提案や実行に携わってきた企業買収(M&A)の仲介業の老舗、株式会社レコフによると

・1985年(統計開始時期)以来、不況期以外の企業買収(M&A)件数は増加

・1996年は年間約600件、2019年は年間約4000件

・直近の20年間で年間の企業買収(M&A)件数は6倍以上

とされています。

M&Aが増加する理由

企業買収の件数は増加傾向にある、と前述しましたが、では、なぜ企業買収(M&A)の件数が増加傾向にあるのでしょうか。その理由として、国内市場の縮小と事業継承の難しさが考えられます。

それぞれの理由について、1つずつ見ていきましょう。

企業買収(M&A)が増加する理由①国内市場の縮小

多くの人がご存知の通り、日本では人口減少が問題になっています。人口が減るということは、それだけ国内での売上獲得が難しくなるため、企業は事業の集約化とグローバル化に力を入れなければいけません。

集約化の例でいえば、百貨店は4つ(大丸松坂屋、三越伊勢丹、高島屋、阪急百貨店)に、コンビニもおよそ3つ(ローソン、セブンイレブン、ファミリーマート)にしぼられつつあります。グローバル化の例としては、武田薬品工業ではナイコメッドを約1兆2,000億円、ミレニアム・ファーマシューティカルズを約8,800億円で買収しています。

企業買収(M&A)が増加する理由②事業継承の難しさ

株式会社東京商工リサーチが実施した中小企業の事業継続についての調査で分かったことは下の表の通りです。

【中小企業の後継者の選定状況】

項目回答した人数(人)
後継者が決まっている1,369
候補者はいるが、本人の了承を得ていない950
候補者を探しているが、見つかっていない453
候補者を探す時期ではない401
後継者についてまだ考えたことがない248

後継者についてまだ考えていない中小企業もありますが、「候補者はいるが、本人の了承を得ていない」「候補者を探しているが、見つかっていない」という企業が多くいることが問題といえるでしょう。後継者が見つからなくても事業継承をしたい、という経営者にとっても、企業買収(M&A)は有効な手段であるといえそうです。

企業買収の成功事例

企業買収(M&A)の成功事例として、

・大阪エアコン株式会社

・原木屋産業株式会社

・スカイマーク株式会社

の3社の事例を見ていきましょう。

大阪エアコン株式会社

大阪エアコン株式会社は、1970年に創業されたエアコンの設置工事やメンテナンス事業に携わる会社ですが、業界内で勝ち残っていくための手段として企業買収(M&A)を行いました。その結果、商空間づくりをプロデュースする株式会社ラックランドグループの一員となっています。

原木屋産業株式会社

原木屋産業株式会社は1979年に創業された建設資材の商社ですが、後継者候補が見つからず、企業買収(M&A)を行いました。その結果、北海道から関東までのエリアで建設資材の販売や資材運送などを手掛けていた株式会社クワザワのグループの一員に。グループに入ったことで幅広い事業展開が可能になったとしています。

スカイマーク株式会社

スカイマーク株式会社は、経営状況の悪化によって民事再生手続きを行ったことがありますが、その際に、経営再建のためにANAやインテグラルなどとの企業買収(M&A)を実行しました。その結果、経営回復に成功しています。

企業買収の失敗事例

続いて、企業買収(M&A)の失敗事例を紹介します。

今回は

・丸紅

・富士通

の2社の事例を順番に見ていきましょう。

丸紅

大手総合商社である丸紅は、2012年に米穀物大手のガビロンを企業買収(M&A)しました。その当時、丸紅は中国への大豆の輸出で首位にありましたが、ガビロンの買収によって同国での寡占化が警戒されるように。その結果、中国でのビジネスを禁止され、経営不振に陥りました。

富士通

総合エレクトロニクスメーカーの富士通は、1990年にイギリスの国策IT企業であるICLを企業買収(M&A)して子会社化しました。その結果、電算機で世界2位を達成し、成功したかのように思われましたが、業績が悪化し、2007年3月期の個別決算では2,900億円もの評価損を計上。

株価が下落し、M&A失敗に終わっています。

M&A成功のポイント

企業買収(M&A)を成功させるために大切なポイントは

・円滑に手続きを進める

・自社の適正価格を知る

・専門家に相談する

の3つ。

企業買収(M&A)を行うときは、以下の3点を実行するといいでしょう。

円滑に手続きを進める

企業買収(M&A)の手続きが円滑に進まないと、途中で破談になるケースもめずらしくありません。最悪の場合、話し合いをしている途中に会社の経営状況が悪化する可能性も。

企業買収(M&A)の手続きをスムーズに進めるために、あらかじめしっかりと戦略を立てることが大切です。

自社の適正価格を知る

M&Aを実施する際には、自社の適正価格を把握しておくことが大切です。もし、適正価格を把握していなければ、大きな損失を被ることも。

一般に、会社の適正な売却価格は「会社の時価純資産+数年分の営業利益」だといわれています。ただし、これは大まかな目安の売却価格なので、もっと正確な価格を知りたい場合はM&A仲介会社などに計算を依頼するといいでしょう。

専門家に相談する

企業買収(M&A)の経験がない場合、企業買収(M&A)の知識や経験が豊富な専門家に相談するのも1つの方法です。専門家に相談することで、話し合いがうまく進まない場合などに適切な対処をとることが可能となるでしょう。

まとめ

企業買収についての知識や事例を紹介しましたがいかがでしたでしょうか。企業買収についてこの記事で紹介したポイントは

・企業買収(M&A)は増加傾向にある

・増加する背景には、国内市場の縮小や事業継承の難しさがある

・企業買収(M&A)を成功させるためには、自社の適正価格を知ったり、専門家に頼ったりすることが大切である

ということ。今回紹介した内容を参考に、自社の企業買収(M&A)について考えてみるといいでしょう。

<参考>

【M&Aのケーススタディ】成功事例と失敗事例(山田コンサルティンググループ)

中小企業のM&Aの現状(M&Aキャピタルパートナーズ)

中小企業のM&Aの成功・失敗の分かれ目はどこか?流れと注意点も解説(すばるM&Aリサーチ)