「クラウドファンディングには見返りがあるのか?あるとしたらどんな種類があるのか?」
これから出資を検討されている人や、興味がある方はこんな疑問を持たれることもあると思います。
せっかくお金を出すならリターンがあるのか、またリスクについても気になるところですよね。
そこで今回は、クラウドファンディングの種類とそれぞれの仕組みや、投資する際の3つの注意点について解説します。
気になる事業・プロジェクトがある方や、種類ごとの仕組みについて知りたい方はぜひ参考にしてください。
クラウドファンディングに見返りはあるのか?
クラウドファンディングはただ出資すればリターンがあるわけではありません。
プロジェクトや事業によって見返りがある場合・ない場合に分かれますので、自分が出資する目的を最初によく考えて、出資先を選ぶことが大切です。
出資をする際は、興味があるプロジェクトが以下のどちらに当てはまるかを考えましょう。
- 見返りがある場合:投資型
- 見返りがない場合:非投資型
投資型は証券や不動産など資産運用の色合いが濃く、運用した結果成果が出れば、商品や金銭としてリターンが戻ってくるのが特徴的です。
一方、非投資型は寄付型などボランティアに近い要素があり、お金を出したとしてもそれに見合ったリターンはない場合がほとんどです。
次の章からそれぞれの種類について解説していきます。
クラウドファンディングの見返りの種類
得られる見返りはプロジェクトの種類によって変わってきます。
代表的なクラウドファンディングの形態と、それぞれに投資して得られるものを見ていきましょう。
投資型
投資型はスタートアップ企業や個人事業などが業績を上げて、その成果を商品やお金に替えて出資者に返す形式の一つです。
一般的に期待される「出資者へのご褒美」は、ほぼ投資型から来るものといえるでしょう。
銀行や証券会社を経由して行う投資と仕組みはほぼ同じですが、クラウドファンディングならではのメリットがあるため、あえて投資型の形式を活用する人も増えています。
投資型を代表する4つの種類と得られるリターンについて解説します。
融資型
融資型は名前の通り、起案者にお金を貸して事業発展につなげるものであり、見返りとしては融資した企業から元本と分配金を得られます。
プロジェクトが終わったら出資者にお金が振り込まれる仕組みになっているため、初心者でも比較的参加しやすく、安定した収入をもらいやすいのが特徴です。
出資者自身が融資したいと思う魅力的な事業があったり、成果が出そうだと感じたりする起案者を選ぶのが、大きな成果を得るための判断軸になります。
ファンド投資型
融資型のように、起案者が資金を集めてファンドとして事業を行う形式の一つです。
融資型と似ているように感じる人もいるかもしれませんが、大きな違いとして、ファンド投資型では利益が出なければ報酬はゼロのままになります。
たとえば、資金が集まって事業を開始したとしても、利益を上げるのに5年かかってしまったらその間、出資者が得られるものはありません。
また資金が十分でない場合、途中で事業が終了してしまう可能性もあります。
仮に事業が成功し利益が出たら、配当金や出資先が開発した商品などを見返りとして受け取れます。
このように成果が出るまで時間がかかる可能性があるため「企業をサポートしたい」という目的で利用する人が多い印象です。
株式投資型
証券会社で取引するのと同じように株式をを買うクラウドファンディングです。
株式投資型が一般的な株の売買と違うのは、まだ公開されていない株を購入できる点です。
スタートアップ企業など、伸びしろがありそうな企業を探して先行投資できるのが特徴でもあります。
株を購入した企業が大きな成果をあげれば、それだけ大きな報酬を期待できるのがメリットです。
既に株式投資を行っている人で、他の銘柄も運用してみたい人や、新興企業への出資を視野に入れたい人に向いているといえます。
不動産型
出資者が特定の物件を選んで出資する形式で、得られる見返りは通常の不動産投資と同じように、家賃収入や物件を売却した際の収益です。
出資者自身が物件の詳細を見て選定できるところがメリットなので、物件の資産運用などが得意な人に向いています。
選んだ物件が収益を見込めるものであれば、安定した収入を得ることも可能になるでしょう。
非投資型
ボランティアと同じように応援したいプロジェクトや事業に投資するのが非投資型クラウドファンディングです。
出資者側としては、活動報告やお礼の連絡を受けることがありますが、大きなリターンは期待できないと考えていいでしょう。
非投資型の2つの種類について解説します。
寄付型
寄付型は、災害地を支援するための募金活動や、映画の製作費などを募って行う慈善事業などに多く見られる形式です。
元来クラウドファンディングはこうした目的から生まれているので、一般的には寄付型をイメージする人も多いでしょう。
投資した際には活動報告を受けたり、リリースされた製品に出資者の名前が記載されたりすることになります。
もともとボランティアの色が強い形式の一つなので、出資者に対して金銭や商品の見返りはなく、出資者は応援するために出資することがほとんどです。
購入型
購入型では、まだ世に出ていない商品の開発事業に出資する形式です。
資金が十分に集まって開発が進み、晴れて商品がリリースされたら出資者が現物を受け取れます。
結果として商品をもらるのでリターンがあるように思えますが、あくまでも「非投資型」に分類されます。
理由としては、開発費用を出しているので金額の面ではプラスマイナスゼロだからです。
寄付型と同じように、支援したいと思う事業を見つけて出資する人が多い傾向にあるといえるでしょう。
見返りを求める際の3つの注意点
投資型は成果次第で大きなリターンが期待できますが、もちろんリスクもあります。
出資先を選ぶ際に気を付けたいことを3つ見てみましょう。
お金の見返りは業績に左右される
投資型の場合、得られる見返りは業績に大きく左右されます。
たとえば、ファンド型だと利益が出るまで数年かかることもあり、出資してからすぐにリターンがもらえるわけではありません。
資金が集まらないときや、事業の結果が思うように出ない場合も考えられるので、一定のリスクは許容できる状態にしておくことが大切です。
あくまでも出資は余剰資金を使って行い、万が一業績が落ちてしまっても大きな痛手にならないよう準備しておいてください。
商品の見返りは中途半端になる可能性
商品開発のクラウドファンディングでは、資金が十分に集まらなければ満足のいく結果が得られないかもしれません。
十分な資金があれば当初予定していたサービスを世に出せますが、資金が足りない場合、中途半端に終わることもあります。
結果として、最初にイメージしていたような機能が商品に搭載されておらず不満に思うこともあるでしょう。
クラウドファンディングはどうしても出資状況など外部環境に左右されやすいので、見返りが完璧でないこともあると覚悟しておいてください。
詐欺集団のクラウドファンディングに注意
ごくまれに起案者の中に、詐欺集団が紛れ込んでいる可能性もあります。
たとえば要項を読んだ際に、他のプロジェクトに比べて特に好条件である場合は、詐欺集団が起案しているかもしれません。
実際に悪意のある個人がクラウドファンディングを行い、目標の7割程度の資金が集まったところでいきなりプロジェクトを中止して出資金はそのまま懐に入る、という例も過去見受けられました。
募集をかけている段階で怪しいと思ったら、不審な点はないかよく確認してみることが大切です。
投資はあくまでも自己責任で行い、リスクを最大限抑えることを意識しましょう。
まとめ
クラウドファンディングの見返りの種類や、投資する際の注意点について解説しました。
リターンは主に「投資型」から得られますので、事業やプロジェクトを選ぶ際はまず投資型か、非投資型かを見る必要があります。
またプロジェクトによってはリスクもあり、業績や得られる結果が期待通りでない可能性もあらかじめ考慮しておきましょう。
クラウドファンディングと一言でいっても、得られる見返りはさまざまですので、ご自身の経済状況や条件などをよく検討して、納得できるものに投資を行ってください。