副業解禁により、働き方が見直される昨今。副業をする人が増えたことで様々なサービスが生まれてきました。そのサービスの1つがスキルシェアリングサービスです。このスキルシェアリングサービスが新しい働き方を生み出し人手不足の解決になるのではないか?と期待を持たれています。本記事では、そんなスキルシェアリングサービスを知らない・利用したことがない方に向けてご紹介させていただきます。
スキルシェアリングサービスとは
初めに、ご紹介するのはスキルシェアリングサービスとは何か?です。
まずは、スキルシェアがどのようなものかを「スキル」と「シェア」に分けてご説明します。
スキルとは、目に見えない無形の
・知識
・経験
・技術
などのことをいいます。
そして、シェアは「共有」のことをいいます。身についたスキルや経験を1つの会社だけではなく広い範囲に公開することが共有という意味を成しているのではないのでしょうか。
そんなスキル(目に見えない無形の知識や経験、技術など)シェアリング(所属している組織だけではなく他の会社などに共有)サービスがスキルシェアリングサービスなのです。また、共有は社員のように継続的な勤務が必須ではなく必要な時に単発で依頼できる手軽さが魅力のようです。
このスキルシェアリングサービスが最近流行していると言われているのですが、どうやら株式会社サイバーエージェントが行った調査では下記の資料のように規模が拡大しているようです。
出典:【スキルシェアリングサービス市場調査】副業解禁や働き方改革を背景にビジネス系サービスが牽引、2018年は350億円と予測
一体、なぜ市場予測350億円と言われる規模まで流行しているのでしょうか?その背景をご紹介します。
スキルシェアリングサービスが流行している背景
筆者が調べたところによると
・厚生労働省が2018年1月に公布された「副業・兼業の促進に関するガイドライン」
・2018年6月公布の「働き方改革関連法案」
が2018年からのスキルシェアリングサービスの活性化に繋がり、2020年の
・新型コロナウイルスによる景気の停滞
・年金破綻による将来への不安
がさらなる活性化の後押しをしたんだと思います。
ここから考えられるのは心理的要因は2つであることです。その内容は
・1つの仕事に囚われない働き方をしたい
・金銭的な中長期の不安を払拭したい
だと思います。
おそらく、前者の「1つの仕事に囚われない働き方をしたい」はどちらかというと会社ではなくフリーランスとして働きたいという思いが強いのではないでしょうか?そして後者の「金銭的な中長期停な不安を払拭したい」は、会社所属は継続しながらも副業でお小遣い稼ぎをしたいという考え方になるかと思います。
ではここまでをまとめてスキルシェアリングサービスが流行した理由を考えてみましょう。
①場所や時間に縛られず働きたいフリーランス思考の人等と、将来への不安から副業で副収入を得たい方々がいました。
↓
②そんな中、働き方改革により働き方が見直されフレキシブルに働きやすい社会になったり、年金破綻や新型コロナウイルスによる景気停滞により副業をして副収入を得たいというニーズがさらに高まった。
↓
③そんな人たちが仕事を見つける場としてスキルシェアリングサービスがあるじゃないかとなった!
という一連の内部・外部的変化があったため、流行したのだと思います。
スキルシェアリングサービスは中小企業にどんな影響をもたらす?
では、スキルシェアリングサービスは中小企業にどのような影響をもたらすのでしょうか?
中小企業庁が2019年に行った調査で下記のようなデータがございます。
■スキルシェアリングサービスが中小企業のもたらす可能性
出典:2019年中小企業白書第3部中小企業・小規模企業経営者に期待される自己変革
こちらのデータからも分かるように
・人手不足や専門的なノウハウが不足している企業
・大規模な設備投資を行う資金力を有していない企業
・車両などの固定資産を向上的に利用していない企業
が
・新たな事業展開をしたい
・ビジネスモデルの転換を図りたい
を図りたい際に利用をするのでは?と言われています。
それもそのはずで、スキルシェアリングサービスで解決が期待できる課題は
・人手不足
・ノウハウ不足
だと思うからです。
その理由は、スキル(目に見えない無形の知識や経験、技術など)のシェアには人が関係しており自社で賄えないスキルを、そのスキルを持っている人で賄うため改善できるからです。
以上のことから、中小企業がスキルシェアリングサービスをうまく活用することで
■解決したい課題
・新たな事業展開をしたい
・ビジネスモデルの転換を図りたい
・既存ビジネスの課題を改善したい
・余剰資産で減らしたい
という課題を解決できると思います。
スキルシェアリングサービスはどのように利用する?
では、スキルシェアリングサービスはどのように利用するのでしょうか?
今回は、ランサーズをもとに案件の依頼方法をご紹介します。
まず流れをご説明する前にどのような案件を登録できるのでしょうか?
調べたところ多かったのは
・エンジニア関連(ホームページ作成やアプリ開発)
・コンサルティング関連(セールスサポートや戦略など)
・タスク系(データ入力、調査・分析など)
・デザイナー系(ロゴ・イラスト・POPなど)
です。
()内に含まれる業務で社内にリソースやノウハウがない場合単発で業務を依頼することができます。
■案件を登録する方法
①課題に合わせて媒体を選ぶ(媒体ごとに得意不得意があります)
※今回はランサーズを選ぶこととします。
②法人情報登録
③依頼投稿を行う(依頼原稿作成、支払い方法、請求書発行、メッセージ)
※ここで、案件に合わせて公開範囲を設定します。
④応募者から依頼する人を選ぶ
⑤選んだからに依頼
というステップです。
非常に手軽に応募までを行えるため、スピード感をもって行えそうですね。
中小企業のスキルシェアリングサービス活用事例
では、中小企業のスキルシェアリングサービスの活用事例にはどのようなものがあるのでしょうか。
新サービスのロゴ開発
2nd Community株式会社では、新サービスのロゴ製作を募集していました。(2021年1月15日現在)
報酬は8万円となっています。デザイナーに外注すると30~50万円ほどかかるロゴ作成をこの金額で実現できるのはスキルシェアリングサービスがあるからだと思います。
参考:個人インストラクターの開業を応援する「SQeT」のロゴ募集の仕事
ランディングページの作成
株式会社キレイナでは、ランディングページ(企業のサービスを紹介するインターネット上のチラシのようなもの)の作成を募集していました。(2021年1月15日現在)
報酬は5万円~10万円となっています。通常、ランディンページの作成は20万円以上のケースが多くそれを半額以下で実現できることになります。また、価格交渉もできるうえ、作成者の情報を調べて依頼することも可能です。
参考:宅配クリーニングの特殊クリーニング専門のランディングページの仕事
パワーポイントによる資料作成
こちらは、企業名は不明なのですがスキルシェアリングサービスは、資料作成に関する依頼もできます。こちらは、1万円〜2万円が報酬となっていました。(2021年1月15日現在)どうやらこの依頼をした背景には、紙媒体などの教材をWeb上での管理に切り替えることが目的のようです。
既存の教材から必要部分を切り取りまとめてくれる。このような仕事を手軽に依頼できるのは、魅力的なのではないでしょうか。
参考:教材本からのパワポ作成(文字入力と編集)の仕事
オススメのスキルシェアリングサービス3選
最後に、オススメのスキルシェアリングサービスをご紹介します。
ジャンルごとにご紹介します。
Crowd Works(クラウドワークス)
Crowd Worksは、業界最多の300万人が登録するサービスです。Crowd Worksの特徴としては依頼者は基本料金がかからないことです。つまり、仕事をいただく側からの手数料で成り立っているため、無駄にコストをかけたくない。そんな企業にぜひオススメしたいサービスです。
参考:Crowd Works
Lancers(ランサーズ)
LancersはCrowd Worksと並ぶ業界大手のサービスです。Crowd Worksとの違いとしては、個人へ依頼できない企業向けにLancers自体が支援してくれるプランがある点。そして、月額制で料金がかかることです。そのため、ちょっと料金がかかっても個人ではなく企業に依頼をしたいという企業にオススメです。
参考:Lancers
coconala(ココナラ)
coconalaも、上述した2社に並ぶ大手のスキルシェアリングサービスです。もともとはCtoCよりのサービスでしたが今でtoBも活性化しています。上述した2社との違いは全体的に価格が低いことでしょう。そのため、とにかく低価格で依頼をしたいという企業にオススメです。
参考:coconala
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
働き方が見直され様々な仕事の依頼の方法が生まれています。スキルシェアリングサービスについて少しでも気になることがあれば本記事が利用するきっかけになれば幸いです。
<参考>
【スキルシェアリングサービス市場調査】副業解禁や働き方改革を背景にビジネス系サービスが牽引、2018年は350億円と予測