会社の売上の起点を作る重要な役割を担う「営業」。この営業で、「話は盛り上がるのに成約できない」「商談相手の納得感が得られない」といった悩みを抱えていませんか?
その原因のほとんどは、商談における「営業トーク」のポイントを抑えられていないことにあります。そこで、今回は営業トークの基本的な知識と、推奨するアクションを紹介します。
この内容を理解・実践できれば、営業トークが上達し、営業で成果を出せる営業パーソンに確実に近づくことができるでしょう。ぜひ参考にしてください。
上手くいく営業トークの流れ
上手くいく営業トークには、王道の「流れ」があります。営業パーソンが全体の流れを意識していない場合、話があっちに行ったりこっちに行ったりしてしまい、自社の商材を上手く訴求できなくなることも。
営業トーク中に「今どの段階なのか」を意識することで「今すべきこと」が明確になり、商談相手に対して効果的な営業トークを展開することが可能となります。
商談相手との営業トークは
- ヒアリング
- プレゼン
- クロージング
と進めていくといいでしょう。それぞれのステップについて、1つずつ紹介していきます。
・ヒアリング
営業の仕事は、商品を売ることではなく、お客様の「課題解決」のお手伝いをすること。
したがって、商談相手に自社の商材をPRする前に、まずは商談相手の話に耳を傾けることに徹し、商談相手の抱える課題をしっかりと把握することが大切です。丁寧に情報を整理しながら話を進めていきましょう。
・プレゼン
ヒアリングで商談相手の抱える課題を明確化することができたら、次は自社の商材を紹介していきます。「先ほどお聞きした御社の○○という課題は、弊社の○○で解決できます。なぜなら~」と、自社の商材がどのように商談相手の課題を解決するのか、ゆっくりと丁寧に理論立てて説明し、自社商材の利用を提案しましょう。
商談相手の反応から理解度を計りつつ、「ここまでのお話でご不明な点はございますか?」と質問の機会を提供すれば、商談相手の納得感を高めることができます。
・クロージング
プレゼンの後は、いよいよ契約の意思決定を迫るクロージングの段階です。「即契約」となることが理想ですが、商談相手が意思決定に悩む場合もあります。商談相手が意思決定に悩んでいる場合は、この場で決めることのメリットと後回しにした場合のデメリットを伝えましょう。
「この場でご契約いただける場合は、○○○もセットにできますが、いかがでしょうか?」と、特典を提示したり、「今なら○万円引きにできます」と値引きを提示したりする手法も有効です。
○上手くいく営業トーク、そのポイントとはどんなに良い商材を扱っていても、営業トークでその良さを十分に訴求できなければ成約に至りません。
そこで、知っておきたいのが成約につながる営業トークのポイントです。
そのポイントとは
- 相手の話すことに耳を傾ける
- ゆっくり話す
- メリットだけでなくデメリットについてもきちんと説明する
の3つ。
1つずつ見ていきましょう。
・相手の話すことに耳を傾ける
前述したように、営業の仕事は「お客様の課題解決のお手伝いをすること」。自社の商材をPRしたくなる気持ちは分かりますが、その気持ちは一旦グッと抑えて、まずは商談相手の話に耳を傾けましょう。
そうするうちに、お客様が「何に困っていて、どうなりたいのか」が見えてきます。ここが営業のスタートラインといっても良いでしょう。
・ゆっくり話す
営業トークは緊張や時間の制約から、ついつい早口になってしまいがちですが、早口になってしまうと商談相手が置いてけぼりになったり、余裕の無さから「信頼」が得られなくなってしまうことも。商談では、「ゆっくり話す」ことを意識しましょう。
自身が「ちょっとゆっくり話し過ぎてるかな」と実感できる速さが、商談相手にとってはちょうど良い速さです。
・メリットだけでなくデメリットについてもきちんと説明する
商談では、商談相手に商材のメリットを知ってもらわないと成約には至らないため、ついつい自社商材のメリットばかりを伝えてしまいがち。しかし、商材にはメリットだけでなくデメリットも存在します。
デメリットを隠して営業トークを進めることはできますが、デメリットを隠して成約した場合、後から「話が違う」としてクレームにつながることも。商談相手の信頼を獲得するためには、「……には○○のようなメリットがあります。一方で、××という点はデメリットになり得ます。」とデメリットもしっかり伝えることが大切です。
ポイントは、「デメリットはあるけれど、メリットの大きさに比べれば大した問題ではない」ということを分かってもらうこと。デメリットについてしっかり伝えることで、良好な関係を築くことが出来るでしょう。
事前のリサーチが重要
商談で成果を出す営業パーソンは、訪問前に徹底的にリサーチを行っています。商談相手の業種や商材についてしっかりリサーチをしておくことによって、商談相手に「ウチの会社に来るのに何の準備もしていないんだな」「ウチには準備する価値がないということだな」と思われることがなくなります。
事前のリサーチでは、商材だけでなく経営理念や社風などについても把握しておくことが大切です。自社の商材のメリットをPRするだけでなく、商談相手の意思決定のベースとなる考え方や、価値基準に寄り添った提案ができれば、成約の可能性はグッと高まります。
ホームページや業界ニュース、SNSなどで情報収集し、しっかりと準備をしておきましょう。
ロールプレイングでスキルを高めよう
ロールプレイング(Role Playing)とは、「実際に生じる場面を想定し、与えられた役割を演じることで業務を疑似的に体験する学習方法」のこと。営業職や販売職向けの研修では、このロールプレイングが好んで採用されますが、営業役と商談相手役に分かれて実際の商談シーンを演じることで、営業を疑似体験し、経験を積むことができます。
通常の営業では、商談相手から「あなたの営業はここが良くなかったね」などのフィードバックを得ることはできませんが、ロールプレイングであれば、商談相手役が感じた気付きを営業役に伝えることができ、営業役は「ここはマズかったな、改善が必要だな」と気付きを得ることができます。
また、商談相手役を演じることで、営業を受ける側の心理状態が理解できるようになり、「この話し方をされるとイヤだな、気を付けよう」などと、相手の気持ちを理解したうえで営業が行えるようになります。ロールプレイングで経験を積み、営業トークのスキルを高めることで、実戦での成果につなげていきましょう
まとめ
営業トークを上達させるためのポイントについて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?営業トークの正しい知識とテクニックを身に付ければ、成果をあげることが期待できます。営業で成果を上げるために、本記事で紹介したポイントを実践してみてください。
参考記事
売れる営業のトーク・コミュニケーションの流れ、構成とは?(営業サプリ)
営業トーク力が高まる話し方5つのコツとは?(DataManagement Lab)
欲しくなる!売れる営業トーク 商談力を高めるためのポイント(UPWARD)