LTV(Life Time Value)とは?マーケティングで注目の指標について徹底解説

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多くの企業が注目する「LTV(Life Time Value)」。マーケティング施策に欠かせない指標ですが、いまいち良く知らない、という方も少なくありません。

この記事では、LTVとは何か、そして、なぜ注目されているのか、分かりやすく解説します。また、LTVの計算方法や向上させる方法などについても紹介します。

ぜひ参考にしてください。

LTVとは

LTVは、Life Time Value(ライフタイムバリュー)の略称で、「顧客生涯価値」と訳されるマーケティング用語のこと。決められた期間の中で顧客1人が企業(1社)が取引を始めてから終えるまでの間に企業の商品やサービスを購入するなどしてもたらす利益がどのくらいになるかということを表します。

新規顧客やリピートしてくれる顧客におけるマーケティング・宣伝コストなどの費用対効果を比較する時などに必要な要素です。

LTVが注目される理由

LTVが注目されている理由として

などが挙げられます。

それぞれの理由について、分かりやすく紹介します。

1.サブスクリプション型ビジネスの台頭

サブスクリプションとは、顧客に月・年毎でお金を支払ってもらい、その期間はサービスを使い放題になるというシステムのこと。サービスや商品にいかに愛着を持ってもらい、継続的に使ってもらえるか、ということが重要とされています。

以前は、サブスクリプション型のビジネスはソフトウェアや動画、音楽などのビジネスコンテンツが中心でしたが、最近ではファッションレンタルやカーシェアリング、飲食や家電など、様々な分野への広がりが見られます。サブスクリプション型のビジネスモデルが台頭する理由として、顧客と企業の双方にメリットがあることが考えられますが、顧客の満足度を測る指標としてLTVが使われているのです。

2. 1:5の法則

1:5の法則とは、米国のコンサルティング会社、ベイン・アンド・カンパニーの名誉ディレクター、フレデリック・F・ライクヘルド氏が提唱した法則であり、「新規の顧客を獲得するには、既存顧客のお客様の5倍のコストがかかる」というもの。

企業にとって、新規顧客の獲得は、将来的な利益を確保するために欠かせないものですが、新規の顧客を獲得するには多くの費用がかかる、ということから、新規顧客の獲得より既存顧客との関係の維持をしていく方が効率が良いということを意味します。したがって、顧客との関係性がどのような状態かを確認することができるLTVに注目が集まっているのです。

LTVの計算方法

LTVにはさまざまな計算方法がありますが、基本の計算方法は

LTV=1回の平均購入単価×購入の頻度×継続して購入してくれる期間

というもの。

例えば、顧客が1000円の商品を年間で3回購入した場合、顧客のLTVは3000であり、1000円で販売されている商品を年間で12回購入する場合、顧客のLTVは12000となります。

代表的な計算式

LTV = 顧客の年間取引額 × 収益率 × 顧客の継続年数

LTV = 顧客の平均購入単価 × 平均購入回数

LTV = (売上高 – 売上原価) ÷ 購入者数

メーカーや小売業の場合

LTV=1回の購入単価×購入の頻度×使い続けてくれる時間

Saas(サブスクリプション)の場合

LTV=月間(または年額)の料金×使い続けてくれる時間

という計算方法もあります。

LTVを向上させるためにチェックすべき5つのポイント

LTVを向上させるためにチェックすべきポイントは

1.獲得コスト・維持コストを下げる

2.平均購入単価を上げる

3.購入頻度を上げる

4.顧客数を増やす

5.継続期間

の5つ。

それぞれのポイントについて、解説します。

「獲得コスト」「維持コスト」は下げることが必要。

利益を確保するためには、「獲得コスト」と「維持コスト」を下げることが重要です。例えば、CRMなどのIT技術をうまく取り入れて日報作成やデータ分析などの作業をすれば、作業時間を短縮し、コスト削減を目指すことができます。

平均購入単価を上げる

平均購入単価とは、1顧客あたりの単価がどれくらいかというものですが、平均購入単価が上がるということは、顧客1人ひとりのLTVが上がるということ。
平均購入単価を上げるための施策として「松竹梅の法則」などがありますが、複数の価格の商品・サービスを提供する、という方法を採用してみても良いでしょう。

購入頻度を上げる

商品、サービスの購入頻度を増やすのも、LTVの向上に繋がる方法です。
顧客が継続的に購入している商品のデータを分析し、購入頻度アップの可否を見極めることが大事です。

顧客数を増やす

LTVは「顧客が企業の商品やサービスを購入するなどしてもたらす利益がどのくらいになるか」を示すもの。つまり、顧客数が増えれば、LTVを向上させることにつながります。

継続期間

一度、自社の顧客になっても、必ず一定数の離脱は発生します。したがって、顧客に継続して商品やサービスの購入をしてもらう為の取組みを続けなければなりません。

また、顧客の維持は営業職の腕の見せどころでもあります。顧客との関わりの中で維持率をアップし、LTVの向上に努めましょう。

まとめ

LTVは、「売上」または「利益」と、「時間」で算出することができるため、ほとんどの企業の収益改善に役立てることができるものです。LTVを向上させるためのポイントは何点かありますが、大事なことは「顧客の状態を把握すること」。

今回紹介した内容を参考に、LTVを自社のマーケティングに取り入れてみてください。

<参考>

通販企業がすぐに取り組めるLTV向上の仕組みとは | EC・通販CRMうちでのこづち

マーケティングで超重要な指標!LTV(Life Time Value: 顧客生涯価値)とは?

LTV(ライフタイムバリュー)アップのために有効な5つの営業戦略、LTVの計算方法も解説 | 営業管理ツール(SFA)のUPWARD(アップワード)

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