企業の販売活動において大きな効果をもたらす「セールスプロモーション」。
セールスプロモーションという言葉を知っていても、どのような活動をすればいいのか。
成果を出すためにはどのように進めればいいのか、ピンとこない人もいるでしょう。
そこで今回は、セールスプロモーションの種類や進め方、メリット・デメリットなどをわかりやすく解説します。
企業の販促活動や売上の向上のためにぜひ活かしていただき、新たな成果につなげてみてください。
セールスプロモーションとは
セールスプロモーションとは、いわゆる販売促進に関する活動のことです。
しかし、ただの「販促活動」と異なる点としては、販売を促すだけでなく、心理学や戦略にもとづいて顧客の購入意欲を生み出す行動であることが挙げられます。
また「広告」と「セールスプロモーション」も混同されがちですが、厳密には同じ意味ではありません。
広告はCMやディスプレイなど、メディアを使って幅広く商品をPRすることが目的です。
一方でセールスプロモーションは、もっと狭い範囲の顧客に対してアプローチする傾向にあります。
たとえばイベントへの参加者に対してアプローチしたり、特定のリストの顧客に対してメールを送ったりするので、メディアを使うケースは多くありません。
セールスプロモーションの種類
セールスプロモーションにはいくつかの種類があります。
どのような形態があるのか、代表的な例をいくつかまとめました。
商品のサンプルや試用期間を設ける
特定の商品を売る際にサンプルを配布することや、料金を払わずに一定期間無料で使える期間を設けることはセールスプロモーションの一環です。
無料で商品を使ってもらうことでお得感を出し、実際に満足してもらえたら商品の購買につながるメリットがあります。
化粧品や月額制のサービスに関しては、このようなセールスプロモーションを起用しているケースが多いです。
割引キャンペーンを活用する
もうひとつのキャンペーンの種類として「今なら5%割引「まとめて買うと10%割引」のような仕組みが挙げられます。
限定価格を出すことで購買意欲を促進したり、より多くの商品を買ってもらったりすることで売上の向上が期待できます。
デモンストレーションを実施する
スーパーなどの小売店の店頭で実施しているデモンストレーションも、セールスプロモーションの一環です。
実際に顧客に試食してもらったり、使用しているシーンを見せたりすることで、購入したあとに得られるベネフィットがわかりやすくなります。
またその時に試供品を配り、より満足度を高める手段も有効的といえるでしょう。
ノベルティを進呈する
資料と一緒にノベルティを入れて配布したり、アンケートに回答したらプレゼントを配布したりすることもセールスプロモーションのひとつです。
「ノベルティ」というわかりやすいメリットがあるため集客しやすく、多くの顧客情報を得られる可能性があります。
イベントのプロモーション
エキスポなど、たくさんの企業がブースを出展するようなイベントもセールスプロモーションにつながります。
一度のイベントに顧客やパートナー企業、競合他社などさまざまな来場者がきますので、新たな接点になり、新規ビジネスにつながる可能性も高いでしょう。
自社ブースで商品のパネルを置いて説明会を実施したり、ノベルティを配布してアンケートを取ったりして、効果測定を行う場にも適しています。
デジタル面でのプロモーション
「非接触」が必要とされるここ数年では、デジタル面のセールスプロモーションが活発になっています。
たとえばGoogle広告を載せて、閲覧者が以前調べた履歴をもとに商品の広告を出すことや、ECサイトで閲覧履歴をもとに「おすすめの商品」を表示する機能などです。
利用者のニーズにもとづいて適切な商品を販促できるので、効率よくセールスプロモーションを進められる仕組みといえるでしょう。
ダイレクトマーケティングを活用する
メルマガやDMを活用した「ダイレクトマーケティング」も、セールスプロモーションの一環として有効です。
特にメルマガなどの「顧客リスト」は自社に興味がある人が多いため、サービスの成約率が高くトラブルが起きにくい手段ともいわれています。
イベントなどで入手した顧客リストをもとに、アフターフォローを行いさらなるビジネスにつなげるフックになるでしょう。
セールスプロモーションのメリット・デメリット
セールスプロモーションの大きなメリットは、やはり新規顧客の獲得に貢献する点です。
イベントに参加したり、キャンペーンを打ったりすれば、よりたくさんの人にリーチして見込み客を獲得できるメリットがあります。
順調に進めば中長期的に見た売上の向上につながり、さらに既存顧客の満足度を向上させるきっかけにもなるでしょう。
一方でデメリットは、セールスプロモーションの実施によって一時的に利益率が低下することです。
ノベルティの作成や割引キャンペーンなどはどうしてもコストが発生するため、実施直後に売上が下がってしまうことは避けられません。
しかし、きちんと分析してPDCAを回せば利益が出ますので、長期的な目線で進めることが大切です。
セールスプロモーションのポイント
セールスプロモーションで成果を出すためには、前提として気を付けるべきポイントがあります。
それぞれのポイントを押さえて、セールスプロモーションを成功させるきっかけとしてください。
目的を明確化する
セールスプロモーションを行う際は「目的を明確化すること」が欠かせません。
集客したいのか、売上を上げたいのか、もしくは効果測定をしたいのか。
セールスプロモーションによって得られることは様々であり、施策によって得られる結果も異なります。
たとえば「集客」が目的であれば、大型エキスポにブースを出展してノベルティを配布すること。
それと引き換えに名刺を交換してもらう、といった流れを決められるはずです。
具体的な目的を決めれば、企画中にやるべきことがおのずと見えてくるでしょう。
フォローを欠かさない
セールスプロモーションは「最初の接点」であることが多いので、その後のフォローを行うことが大切です。
たとえばキャンペーンに参加してもらった方には、次のキャンペーン情報を先行で通知するなど、メリットを感じてもらえるようなアプローチをするといいでしょう。
集客してどのようにつなげるのか腕の見せどころですので、アフターフォローをどう実施するかも最初に決めておきたいところです。
ペルソナを明確にする
セールスプロモーションを順調に進めるには「ペルソナを明確にすること」が必須です。
広告は不特定多数に幅広く販促するものですが、セールスプロモーションは特定の人に対してPRできることがメリットです。
市場の分析や現状の顧客満足度を調査して、ニーズを洗い出したうえで利用者の心に刺さるプロモーション内容を企画しましょう。
結果を分析して次につなげる
セールスプロモーションで成果を出すためには、結果を分析して次につなげることが大切です。
たとえばイベントで集客に苦戦したのなら、競合との差別化がうまくできていないことや、集客手段のリサーチが不十分であったことなどが原因として考えられます。
集客率をリストに起こして、成功要因と失敗要因を洗い出し、PDCAサイクルをまわすことを怠らないようにしましょう。
まとめ
今回はセールスプロモーションのメリット・デメリットや進める際のポイントを解説しました。
セールスプロモーションは企業の集客、売上拡大につながる有効的な手段のひとつ。
新たな見込み客を獲得してさらなる販売の可能性を広げるきっかけになりますので、今回紹介したポイントを押さえてぜひ活用してみてください。