コロナウイルスの感染の影響でテレワークを始めた企業が増えています。
そんな中で、オフィスで働いていた時よりも生産性が落ちてしまった、もしくは生産性が落ちないか心配であるという経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はそんなテレワークをする際にパフォーマンスが低下してしまう原因と、生産性を落とさないためのポイントを3つ紹介します。
新しい労働環境に見合った方法を使って成果を上げるために、テレワークの課題を解決する際の参考としていただければと思います。
生産性が下がったと感じる人は約4割
そもそもテレワークをすると仕事の生産性は下がるのか、調査データを見てみましょう。
アドビの調査によると「在宅勤務を導入したことで生産性が下がった」と感じる人の割合はおよそ4割にものぼることがわかりました。
感染拡大を防ぐためにテレワークが余儀なくされましたが、実際に在宅勤務をしている人の多くはパフォーマンスの低下を感じているということです。
参考:アドビ、グローバル調査「COVID-19禍における生産性と在宅勤務に関する調査」を発表
テレワークをして生産性が下がる理由
テレワークをして生産性が下がるのにはいくつかの理由があげられますが、主に自宅の環境やコミュニケーションの取りにくさが起因しています。
3つの生産性が下がる理由を見ていきましょう。
在宅だと集中しにくい
1つ目の理由は、在宅だと仕事に集中しにくいためにパフォーマンスが下がってしまうことです。
在宅ワークでは、まわりに家族がいることや、普段はリラックスしている場所であるためにだらけてしまうことなどが起こり得ます。
そうした環境ではオフィスのように気持ちのメリハリがつけられず、パソコンをひらいていてもうまく作業に集中できない状態に陥ってしまうのです。
自分だけの作業部屋などがあれば別ですが、家族と共有しているスペースがほとんどであったり、ワンルームのマンションなどでベッドがすぐそこにあったりする場合はなおさらでしょう。
コミュニケーションが取りにくい
2つ目の理由としては、テレワークをしているためにチームのメンバーや関連部門の担当者とコミュニケーションが取りにくくなることです。
日本の企業では、1つの仕事を複数人のチームで進めることが多いため、周りの人と意思疎通を取りながら仕事をする傾向にあります。
また意思決定をする際は上司のアドバイスなどを仰ぐ必要があるので、テレワークだとそういったコミュニケーションがすぐに取れないのがネックです。
オフィスで仕事をすればすぐに話しかけられるのに、在宅だと気軽に会話できず、作業が滞ってしまうことが生産性を下げる要因の一つともいえます。
パフォーマンスが可視化されにくい
3つ目の理由は、仕事をしているときのパフォーマンスが可視化されにくいためにモチベーションが上がらないことです。
オフィスで働いている際は、真面目に働いている様子が周りの人に見えるため、自然と気が引き締まり仕事が進みやすくなるものです。
しかしテレワークとなると、周りにメンバーがおらず孤独な状態になります。
自分の仕事の進捗を伝えることも難しく、他の人の目もないため、モチベーションが低下しやすく家でだらけてしまう社員も少なからずいるでしょう。
生産性を落とさないための方法3つ
では生産性を落とさないために企業はどのような体制を整えるべきか、パフォーマンスを維持するための方法を3つ紹介します。
勤務時間のメリハリをつける
まず簡単にできるのは、自宅にいながら「仕事モード」に切り替える仕組みを整えることです。
たとえば仕事を開始する際と終える際に上司にメッセージを送る、朝の30分はWeb会議システムをつないだまま作業をするなど、他の人とつながる時間を増やしましょう。
資金に余裕があればサテライトオフィスの導入なども効果的です。
オフィスに人が集まらなくとも、少人数で一緒に作業できる環境を構築できます。
「仕事する時間」「リラックスする時間」のメリハリをつけることで、リモートワークをしてだらけてしまう、という状態をなくすことができるでしょう。
意識的にコミュニケーションを取る
テレワークで大切にするべきことは、意識してチームメンバーや同僚とコミュニケーションを取ることです。
メールやチャットでの業務連絡だけでなく、抱えている問題やテレワークに関する課題などを積極的に話す時間を取ってください。
その際に大切なのは、カメラを使って顔が見える状態にして相手と話すことです。
顔を合わせることで孤独になる状態を避けることができ、仕事の進捗の共有などもしやすくなります。
1日の終わりや朝の10分間でもいいので、上司は部下と個別に話す時間や、チームメンバーで話し合う時間を設けてみてください。
テレワークに合わせた評価制度の策定
もう一つ大切なこととして、テレワークに合わせた評価制度の策定が求められます。
従来は勤務態度など働く姿勢を加味して評価を下すことが可能でしたが、テレワークでは働きぶりを見ることができません。
そのため、どんな点を評価されるのか明確にしなければ頑張りどころがわからず、社員のモチベーションは低下してしまいます。
たとえば数字や成果物など、目に見えてわかる指標を作ることで「これをやればいい」という目標がわかり、テレワークでも仕事にどう取り組めばいいかがわかりやすくなるでしょう。
まとめ
テレワークをして生産性が落ちてしまう原因と、パフォーマンスを維持するためにやるべきことを解説しました。
テレワークはコロナ禍で必要な制度であり、時間の使い方を効率化できる有効な手段です。
しかし環境に合わせて工夫しないと、メンバーのモチベーションが下がり、仕事の成果に影響が出かねません。
経営者の方は、テレワークに適した業務状態が整っているかチェックしていただき、今後のマネジメントに取り入れてみてください。