DXのキーワード「2025年の崖」とは?押さえておきたい3つのポイント

DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めにあたって「2025年の崖」という言葉を聞いたことのある人もいると思います。

なんとなくフレーズを知ってはいても、どういう意味であり、何をするべきなのか正しく理解できていないこともあるのではないでしょうか。

企業がデジタル化を進めるために、2025年の崖の意味を知っておくことは不可欠です。

今回は「2025年の崖」という言葉が話題になった、経済産業省のDXレポートの内容をわかりやすく解説いたします。

経営者の方はぜひ目を通していただいて、自社の経営戦略を立案する際の参考にしてください。

「2025年の崖」とは

「2025年の崖」とは、経済産業省が発表したDXレポートに書かれた用語のことです。

DXレポートの内容を簡単にまとめると、諸外国と比較すると日本のデジタル発展は大きく遅れを取っており、このままの状態が続くと、2025年から2030年の間に国内で最大12兆円の損失が出る可能性があると示唆しています。

その一つの目安となるのが2025年で、それまでにDXを推進する必要があるため「2025年の崖」というキーワードがしきりに出てくるようになったのです。

参考:DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~

なぜ「2025年の崖」を超える必要があるのか

では、なぜ「2025年の崖」を超える必要があるのか、背景を見ていきましょう。

日本はグローバルで見ても、デジタル分野では後進国といわれています。

諸外国に見られる中国のアリババや、アメリカのGAFAのようなIT企業では、デジタルをうまくビジネスに活用して大きな売上を創出しています。

現に私たちの生活にもAmazonを使った買い物やiPhoneを活用したコミュニケーションが根づいており、日本の企業が生み出したデジタル商品の中で、そこまで大きな売上を出したものはありません。

この状況を打破して、日本もデジタル技術をビジネスに活用する必要がある、とDXレポートではしきりに述べられています。

そうでなければ、日本はデジタル競争の敗者となり、経済は衰退の一途をたどることになるのです。

日本がデジタル後進国である理由

日本が「デジタル後進国」と呼ばれるのにはさまざまな理由がありますが、主に以下のような事柄が原因といわれています。

  • IT投資はほとんど運用保守に使われている
  • 現在使っているシステムが肥大しており掌握が困難
  • 現行のシステムに情報が蓄積されているのに活用しきれていない

8割以上が運用保守に使われるIT投資

DXレポートでは、現在国内にある企業のIT投資の8割以上が、システムの運用保守に使われていると述べられています。

これは、日本経済が低迷したバブル崩壊後の「失われた20年」が関係しており、2000年代に入ってから、システムの運用保守は外注化することが主流となりました。

そこから2020年までの間に、システムはカスタマイズされ、数が増え、運用保守にかける金額がどんどん膨らむこととなったのです。

全体を掌握しきれない現行システム

2000年に入ってから、デジタル技術は大きな発展を遂げました。

インターネットを活用したビジネスが発展したため、利用しているシステムの機能や情報は次から次へと増えていきます。

しかし運用保守を請け負っている外注会社では、システムのすべてを掌握することはできません。

社内の人材も異動や退職をしていくため、ノウハウが社内に残らないままシステムだけが独り歩きする状態になりました。

システム自体に情報は蓄積されているにもかかわらず、人材面や運用保守の面がずさんだったことが、日本がデジタル化に遅れをとった原因です。

そして現行システムの全体を把握することが困難になり、ビジネスに活かしきれていないことが、デジタル後進国と言われる理由といえるでしょう。

「2025年の崖」を超えるためにやるべきこと

2025年の崖を超えるためにやるべきことは主に3つあります。

中小企業においても、デジタル時代の競争を勝ち抜くための準備を早急に行う必要があります。

システムをクラウドに移行する

まず手始めにやるべきことは、社内のシステムをクラウドへ移行してITの運用保守にかけている金額を抑えることです。

サーバーをクラウドに移行すれば、ハードウェアやソフトウェアを購入する必要がなくなり、利用する機能も必要な分だけ取捨選択が可能になります。

そうして浮いた金額を、さらなるデジタルツールの導入に使うことが、DXを始める最初の一歩です。

全社共通のプラットフォームを作る

クラウドへの移行とあわせて行いたいのが、全社共通のプラットフォームを作ることです。たとえば売上をまとめる際にIT部門、営業部門、CS部門それぞれが申告するのではなく、同じシステムを介していつでも見られるようにしておく状態を作ると、報告書を作成する手間が省けます。

複数のシステムを導入している企業では、各部門がそれぞれの情報を引っ張り出して、資料に起こして経営者へ説明しているところが多いかと思います。

全社共通のプラットフォームを導入して、システムを見れば数字がわかるようにしておけば、日々の業務を効率化して、さらにシステムを複数運用する必要もなくなるでしょう。

経営者が会社全体を引っ張っていく

「2025年の崖」を超えるためには、一部の社員だけでなく企業全体でDXを進める必要があります。

そのためには、経営者自身がデジタル技術をどのように活用するのか理解して、会社全体を引っ張っていくマインドを持たなければいけません。

もし社員が「DXを進めてどうなるの?」と思っているようなら、デジタル技術を導入するメリットを伝えることも重要です。

一丸となってDXを推進できるよう、誰よりも経営者自身がDXに対する理解を深めて、経営戦略に落とし込むことを意識していただければと思います。

まとめ

DXというテーマでたびたび話題になる「2025年の崖」という言葉と、経産省のDXレポートの内容について解説しました。

2025年はまだ先と思われるかもしれませんが、DXを進めるには長期的な目線で少しずつ前進していくことが大切です。

今すぐできることから始めて、着実に一歩を踏み出すことがデジタル競争の時代を生き抜く糧となるでしょう。

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