「電話対応マニュアルを作ることになったけど、どんな内容にすればいいんだろう」
「マニュアルを制作するときの注意点を知りたい」
このように考えている企業担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
電話対応マニュアルの制作が決まったけれど、どのようなことに気を付ければいいか分かりづらいですよね。
今回の記事は、電話対応マニュアルの作り方を5つのステップに分けて徹底的に解説します。
実際の電話対応を例文付きで紹介しているので、あわせてご参考にしてみてください。
電話対応マニュアルにおける重要ポイント4選
電話対応マニュアルを作成するために、以下の4つのポイントを把握しておきましょう。
- 素早く対応できるように作られている
- 正しい言葉遣いになっている
- 保留や転送などの操作方法を記述している
- 担当が不在時の対応も載っている
いずれも電話対応マニュアルにおいて重要なポイントなので、十分に確認することが大切です。
1. 素早く対応できるように作られている
電話対応では、相手を待たせないような素早さが求められています。
そのため、社員がすぐに対応できるようにマニュアルを作成しましょう。
社員が素早く対応できるようなマニュアルを作るポイントは以下のとおりです。
- 読みやすい
- 分かりやすい
- 不必要な情報を書いていない
一文が長すぎたり、行間が詰まっていたりすると、急いでいる時にどこを確認したらいいのか分からなくなります。
改善策としてはマニュアルのはじめに目次を入れて、どこに何が書いてあるか分かるようにすると必要な情報が見つかりやすいです。
社員が確認しやすいように、本文全体は簡潔かつ読みやすい文章で書きましょう。
2. 正しい言葉遣いになっている
マニュアル作成時は、正しい言葉遣いを必ず入れましょう。
電話対応時に正しい言葉遣いを使えなかった場合、相手に不信感を与えてしまいます。
特に間違えやすいのは、尊敬語と謙譲語です。誤った敬語表現の例としてマニュアルの中で一覧にしておくと、社員が気づきやすくなります。
正しい表現と間違った表現の両方をマニュアルに記載して、社員に注意を促しましょう。
3. 保留や転送などの操作方法を記述している
電話対応マニュアルを制作する場合は、電話の基本操作や保留や転送などの操作方法を記載しましょう。
実際に電話対応を行う前に、基本操作やボリュームの調整などをあらかじめ確認しておくと慌てずに済みます。
特に新人社員は電話対応に緊張して間違えやすいため、マニュアルの最初の項目に入れておくのがおすすめです。
4. 担当が不在時の対応も載っている
担当者が不在である場合の対応をしっかりと載せましょう。不在時の対応が明確になっていないと、相手を待たせてしまいストレスを与えてしまいます。
さらに、対応によってはクレームにつながる可能性が高くなります。話したい相手が不在の場合、戻り時間を確認して、あらためて電話をすると伝えましょう。
例:担当者が不在の場合
「お戻りは何時ごろですか?」
例:伝言をお願いする場合
「○○様に▲▲会社の■■から電話があったとお伝えください」
電話対応マニュアルの作り方を5ステップで解説
電話対応マニュアルの作り方を、例文とともに解説します。
- 電話機を取った時の対応
- 相手の会社名・氏名を復唱する際の文言
- 問い合わせへの対応
- 保留時の対応
- 伝言メモを作る際のテンプレート
電話対応マニュアルに欠かせない項目なので、1つずつ確認しましょう。
1. 受話器を取った時の対応
電話が鳴ったら3コール以内に受話器を取って、「社名」「部署」「自分の名前」を言います。
受話器を取る時は「もしもし」ではなく「お電話ありがとうございます」と伝えましょう。
「もしもし」はカジュアルな言葉遣いであるため、ビジネスの場で使うとマナー違反になってしまいます。
挨拶を済ませた後は「社名」「部署」「自分の名前」をはっきりと名乗ります。
会社名を伝える際に省略してしまうと、相手が混乱してしまう可能性が高いです。
例:3コール以内「お電話ありがとうございます。株式会社○○△△担当の■■でございます」
4コール以上「大変お待たせいたしました。株式会社○○△△担当の■■でございます」
2. 相手の会社名・氏名を復唱する際の文言
相手の会社名・氏名に関しては、聞き間違いを防ぐために復唱しましょう。
特に日時、数量、金額などの数字を聞き間違えてしまうと、クレームに発展する可能性が高いです。
さらに、相手が用件を伝えてきた場合も復唱してメモに残しておきます。
メモを残す場合は以下の内容を書きましょう。
- 相手の会社名・氏名
- 相手の連絡先
- 伝言内容
- 折り返し連絡の有無
- 対応者の名前
自分専用のメモを事前に作成しておくと記録する内容がすぐにわかるため、おすすめです。
例:「株式会社○○の■■様ですね。お世話になっております」
「いつもお世話になっております。株式会社○○の■■様でいらっしゃいますね」
3. 問い合わせへの対応
問い合わせがあったら、すぐ対応できそうな内容である場合は、その場で返答しましょう。
担当者が不在の場合は不在理由と戻る時間を相手に伝えると、安心感を与えられます。
取次が必要な場合は、取次相手の名前、問い合わせ内容を良く確認して復唱して間違えがないようにしましょう。
例:相手の連絡先を聞く場合
「折り返しご連絡いたしますので、電話番号をお伺いしてもよろしいですか」
例:相手に電話があったことを伝える場合
「株式会社○○の▲▲様からお電話がありました。メモをお渡ししますのでご確認ください」
4. 保留時の対応
他の社員に取り次ぐ場合は、必ず保留にしましょう。
対応がわからなかったり、他の社員に確認したりする時も同様です。
保留のまま1分以上待たせてしまった場合は「お待たせして申し訳ありません」と伝えます。
時間がかかりそうであれば、折り返しをしてもよいか許可を取ると良いでしょう。
例:少し確認する場合
「確認いたしますので、少々お待ちいただけますか?」
例:時間がかかる場合
「申し訳ございません。確認にお時間をいただくため、後ほど折り返していただいてもよろしいですか?」
5. 伝言メモを作る際のテンプレート
電話対応が終了し受話器を置いたら、すぐに伝言メモを作成しましょう。
事前にメモをテンプレート化しておくことで、記載漏れ防止につながります。
- 相手の会社名
- 用件・お問合せ内容
- 折り返しの有無
- 相手の連絡先
- 対応者の名前
伝言メモは紙面だけではなく、ツールを使って共有しておくとスムーズに連携が取れます。
例:電話を切るときのあいさつ
「株式会社○○の▲▲が承りました。失礼いたします」
あいさつが終わって、相手が先に電話を切ったことを確認して、静かに受話器を置きましょう。
電話対応マニュアルを制作する際の3つの注意点
電話対応マニュアルを制作する際の注意点として、以下の3つが挙げられます。
- クレーム対応例も必ず載せる
- シンプルな形で作成する
- 定期的にアップデートする
それぞれの注意点について見ていきましょう。
1. クレーム対応例も必ず載せる
クレームが発生した場合、即座に対応できるように対応方法を記載しましょう。
クレーム対応の流れは以下のとおりです。
- 謝罪をする
- 相手に寄り添う
- 相手を待たせずたらい回しにしない
- 誠実に受け答えをする
最初に、誠心誠意を込めて相手に対しての謝罪をします。
確認で相手を長時間待たせないことを意識しながら、相手の話に寄り添うように聴きましょう。
最初から最後まで誠実な態度が伝わるような対応を心がけることで、事態が早急におさまる可能性が高まります。
2. シンプルな形で作成する
電話対応マニュアルは、シンプルな形で作成しましょう。
内容がわかりづらいと、対応中にすぐ確認できず、マニュアルとして機能しないからです。
マニュアルの中にQ&Aのページを作って必要な情報をすぐに見つけられるようにしておきましょう。
また、電話の出方や応答の仕方、最後の挨拶などを、一連の流れに沿って台本のように作るとわかりやすくなります。
新入社員などの電話対応に慣れていない人たちが困らないように、シンプルでわかりやすく作成することが大切です。
3. 定期的にアップデートする
マニュアルのクオリティをあげるためには、社員同士で内容を共有していくことが大切です。
電話対応マニュアルは一度作成して終わりではなく、社員から定期的にフィードバックをもらいましょう。
また、業務を進めていく中で、マニュアルの改善点が見えてくるため、対応方法をまとめておくとよいでしょう。
何度もフィードバックをもらいながら、試行錯誤することで、質の高いマニュアルになります。
まとめ
電話対応マニュアルを活用することで、業務の効率化や迅速な対応ができます。
情報共有を怠ると社員が混乱しやすくなり、業務効率の低下や社員のストレスを増加させることにもつながりかねません。 そのため、社員から定期的にフィードバックをもらえるよう、コミュニケーションが取りやすい環境作りが必要です。
相手に良い印象を持たれる対応ができるように改善点を明らかにして、クオリティの高い電話対応マニュアルを制作しましょう。