オウンドメディアを運営している担当者であれば、SEM(サーチエンジンマーケティング)というキーワードの意味や、SEMとSEO(検索エンジン最適化)の違いなどを理解していなければなりません。
そこで本記事では、SEMの概要や注目される背景、分析方法などを解説していきます。
SEMとは
SEMの概要
SEMとは、「Search Engine Marketing」の略称で、検索エンジンを活用したマーケティング施策のことを指します。
ユーザーが、検索エンジンを使って商品やサービスについて調べたとき、SEOやリスティング広告、ディスプレイ広告を用いて、自社のオウンドメディアやランディングページを多くの人に発見してもらえることを目的とします。
SEMが注目される背景
SEMが注目される背景には、購買行動モデルが変化したことが理由として考えられます。
以前はマス広告が主流であったため、AIDMA(アイドマ)という「 Attention(注意) 」→ 「 Interest(関心) 」→「 Desire(欲求) 」→ 「 Memory(記憶) 」→「 Action(行動)」といった購買行動モデルでした。
そして、インターネットが世の中に普及していったことで、AISAS(アイサス)といった「 Attention(注意) 」→ 「 Interest(関心) 」→「 Search(検索) 」→ 「 Action(行動) 」→「 Share(共有)」の購買行動モデルに変化しました。
商品やサービスを知ることから始まり、次第に興味・関心を持ち、再度商品やサービスを想起することで購買に至ります。
上記の購買行動モデルから、商品やサービスに興味・関心を持った後に検索し、購買した後に周囲に共有するといった購買行動モデルに変化しました。
ここで「 Search(検索) 」の要素が重要視されたことから、検索エンジンを活用するSEM が注目されるきっかけになりました。
SEMの施策
・SEO対策
SEO対策とは、「Search Engine Optimization」の略で「検索エンジン最適化」のことを指します。
ユーザーが、検索エンジンで特定のキーワードを入力した場合に、自社サイトを検索結果の上位に表示させ、検索流入を増やすことを目的とした施策です。
・リスティング広告
リスティング広告とは、ユーザーが指定したキーワードで検索した場合に、検索エンジンの上部、または下部に表示させる「検索連動広告」のことを指します。
広告媒体は、主に「Google」と「Yahoo!」の2種類になります。
・ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトの広告枠の中で指定した画像や動画などを表示させる広告のことを指します。バナー形式で表示されることが多いため、「バナー広告」とも呼ばれています。
SEMとSEO対策の違い
SEMは、検索エンジンを活用したマーケティング施策全般のことを指します。また、SEOは検索結果の表示順位を上げるための施策のことを意味します。
したがって、SEMの中にSEOが含まれる位置づけのため、両者の意味は異なります。
SEMを行うべき理由
インターネットが普及した社会で、SEMはとても効果を発揮します。検索を上位表示させることで、自社サイトへの流入やコンバージョン件数に影響が出ることは、データにも大きな違いとしてあらわれています。
seoClarityが発表した、検索順位別のクリック率は「1位 13.94%」、「2位 7.52%」、「3位 4.68%」、「4位 3.91%」、「5位 2.98%」となっています。
1位と2位の数値を比較してみても、2位は1位の半分以下の数値になっていることから、検索順位が上位表示であることの重要さがわかります。
ここからは、SEMを行うべき理由を3つ解説していきます。
seo Clarity | 2021 CTR Research Study
検索エンジンの利用者数が多いため
大型検索エンジンの代表であるGooglやYahoo Japanでは多くのユーザー日々サイトを利用しています。
これだけ多くの日本人が検索エンジンを利用しているため、SEMを行うことで多くのユーザーにアプローチできます。
ユーザーの購買行動の変化に対応できるため
2022年の現代において、GoogleやYahoo!などの検索エンジンは多くのユーザーが利用しています。したがって、SEM対策をすることで長期的な効果も期待できます。
先ほどご紹介した「AISAS」には、以前からある「AIDMA」に比べて、「Search(検索)」という行動が追加されました。なぜなら、時代によってユーザーの行動が変化しているからです。
日々の変化に対応するために、SEMのような時代に合ったマーケティング施策を実施しなければなりません。
上位表示されることで認知拡大につながるため
SEM対策でWebページが上位表示されるにつれ、ユーザーの認知拡大につながります。
多くのユーザーが活用している検索エンジンだからこそ、上位表示されるほどユーザーの目に留まる可能性が高まります。
ここからは「SEO対策」、「リスティング広告」、「ディスプレイ広告」のメリットについて解説していきます。
SEO対策
SEO(検索エンジン最適化)対策のメリットは、広告費をかけずに施策ができることや、コンテンツが企業の資産として蓄積されることです。SEO対策で上位表示されたページは、ユーザーの流入数を増加させる見込みが高いため、費用対効果の高い施策になります。
リスティング広告
リスティング広告では、検索エンジンでキーワードを入力した結果に応じて広告を表示させるため、短期間で顕在化した課題を持つユーザーを獲得できます。購買意欲の高いユーザーがWebページに流入するため、申し込みや購入などのコンバージョンに繋がりやすいことが特徴です。
また、時間帯や地域ごとなどのターゲティングが可能なので、特定のユーザーに対して効果的な広告を表示できます。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告では、幅広く画像や動画で認知されるため、潜在的課題を持つユーザーにアプローチできます。
ディスプレイ広告もリスティング広告と同様に、時間帯や地域ごとなどのターゲティングに加えて、配信サイトやアプリという配信面(=プレースメント)」の指定が可能になります。
SEM対策のポイント
予算(費用)
SEMの予算は、SEO対策とリスティング広告・ディスプレイ広告とで、予算の使い方がそれぞれ異なります。大きな違いは、出稿する広告費です。
出稿する広告費がかからないのがSEO対策、出稿する広告費がかかるのは、リスティング広告・ディスプレイ広告になります。
期間
SEMは、自社の目的や予算、期間によって施策を選択する必要があります。。
予算をかけすに、長期的に施策を継続するのであればSEO対策を活用することが望ましいでしょう。一方、予算をかけて短期間で即効性のある施策を実行したいのであれば、リスティング広告・ディスプレイ広告が最適です。
コンテンツ
コンテンツとは、SEO対策で制作するブログの記事や動画などの情報を指します。こちらのコンテンツ選びが、SEM対策では最も重要になります。
リスティング広告やディスプレイ広告でクリック数が増えたとしても、ランディングページのコンテンツの質が悪いと、ユーザーに選ばれることはありません。
ユーザーが「どのようなキーワードで検索するのか」、「検索結果がどのようなコンテンツであればユーザーの課題を解決できるのか」などを考えて制作する必要があります。
SEMを活用して最適なマーケティング施策を行おう!
SEMは、目的や予算、期間に応じて最適な施策を実施しなければなりません。まずは、SEMの概要を理解し、SEO対策や広告運用の特徴を把握しましょう。
実際にSEMに取り組むことで、想像できていなかった課題に直面することがあるかもしれません。そこで、新たなマーケティング施策を検討することで、Webページの価値が上がります。
SEMの取り組み方が理解できた方は、これを機会に検討してみてください。