最近ではパワハラ問題などがニュースなどで取り上げられることも多く、身近な話題になってきました。会社員として働く以上、人間関係があるので全く無関係な話ではありません。
そこで今回の記事ではパワハラにあたる言葉一覧をジャンルごとに解説します。パワハラが認められた判例や、パワハラ防止法なども合わせてご紹介するのでパワハラについてさらに学べる記事になっているのがポイントです。
パワハラにあたる言葉や考え方についてさらに詳しくなりたい方は、是非ご参考にしてください。
パワハラの定義とは?
実際にパワハラの定義を職場にあてはめて簡潔に説明すると、「自分の権力や立場を利用し、部下や同僚、上司などへの精神的な攻撃、嫌がらせ」という意味になります。
基本的に職場では権力や立場が上の人間の言動や行動には抵抗しにくい風潮があります。それを利用して、他の社員に対して高圧的な態度や言動を取ったり、精神的な嫌がらせをする人がいるのも事実です。
被害を受けると、精神的な調子を崩したり、業務遂行に支障をきたす場合があるので十分な注意が必要です。そのため、職場では被害が起きないように、職場ではメンタリティを守る環境作りが重要となります。
パワハラにあたる言葉一覧をジャンルごとに解説!
パワハラにあたる言葉は世の中に多く存在します。また、ジャンルごとに言葉が存在する点にも注意が必要です。具体的には下記の5種類のジャンルでパワハラにあたる言葉があります。
- 精神的な攻撃
- 人間関係からの切り離し
- 過大な要求
- 過小な要求
- 個の侵害
ここからはそれぞれのジャンルに分けてパワハラにあたる言葉をご紹介するので、1つずつ確認していきましょう。
精神的な攻撃
業務において相手の人格や考えを否定したり、故意に精神的なダメージを負わせる言葉は「精神的な攻撃」の部類に当てはまります。そこで「精神的な攻撃」の部類にあたる言葉は下記の通りです。
- 「そんな性格してるから仕事できないんだよ」(人格の否定)
- 「この成果だと昇格できないよ?」(脅迫、圧迫)
- 「なんでこんな仕事できないの?」(侮辱)
これらのように相手を否定したり、圧迫したりするような言葉はいずれもパワハラに当てはまる可能性があります。
人間関係からの切り離し
業務上において故意にチームや社員の輪から弾いたり、必要な情報を与えないようにする行為は「人間関係からの切り離し」に当たります。そこで、「人間関係からの切り離し」のパワハラにあたる言動は下記の通りです。
- 「君はもうこれからミーティング参加しなくていいから」
- 「それくらい1人で考えてくれない?こっちも忙しいんだけど」
- 「人に頼るんじゃなくて、自分でなんでもやってみようよ」
これらのように孤立させたり、協力しないで追い詰めようとする言葉が挙げられます。言葉以外だと、資料やデータを共有しない、集団での無視などもパワハラに当たると言えるでしょう。
過大な要求
本人のレベルに合わない業務に当たらせたり、本人の業務に関連しない雑用を押し付けたりすることは「過大な要求」にあたるパワハラになります。具体的には下記のような言葉は「過大な要求」のパワハラに当てはまるでしょう。
- 「入社して1か月経ってないけど、明日から訪問行ってもらうから」
- 「納期明日までだけどこれできるよね?」
- 過剰なノルマを要求し「これくらい到達できないと困るんだけど?」と脅す
- 「今日の業務終わったら、ゴミ出しと掃除お願いしてもいい?」
これらのように仕事を押し付けるような言葉はパワハラにあたる可能性が高くなります。押し付けを受けた方としても大きな負担となるので、注意が必要です。
過小な要求
過大な要求とは異なり、本人のレベルや能力に満たない仕事を押し付けたり、仕事を故意に振らないことは「過小な要求」のパワハラに当たります。そこで具体的な過小な要求の例としては下記の場合が当てはまるでしょう。
- 管理職で働いている方に「君はこの仕事だけやってくれない?」と管理職がする必要のない資料整理や清掃の仕事を押し付ける
- 「君に与えられる仕事は無いんだよね」と故意に仕事を振らない
これらのように本人のレベルを過度に下回ったり、仕事を与えないこともパワハラにあたる可能性が高くなります。
個の侵害
職務だけではなく、人のプライバシーや私生活に対して踏み入ることもパワハラの1つとして見なされます。そういった「個の侵害」の例としては下記のパターンが挙げられるでしょう。
- 「今日の夜は何か予定あるの?」
- 「この歳になって恋人もいないの?」
- 「どうせ毎週暇でしょ?」
これらのようにその人のプライバシーを踏みにじったり、侮辱したりするような言葉は「個の侵害」のパワハラに当たります。そのため、職場関係においてはなるべくプライベートを詮索しないことが求められるでしょう。
パワハラが認められた判例も存在する?
実際に国内の企業では、パワハラが認められた「シー・ヴィー・エス・ベイエリア事件(東京地裁判決平成24年11月30日労判1064号86頁)」という判例が存在します。
出典:あかるい職場応援団
コンビニエンスストアの店長が従業員と揉め、その従業員が勤務時間終了を理由に帰宅すると告げたところ店長が激しい口調で従業員を侮辱した事案です。具体的には下記のような発言があったとされています。
- 「あなた今日出勤しないでください。お金は払います。お金は払うんで来なくていいんです。」
- 「店に来んなよ。来んなよ。辞めろよ。」
パワハラを防止する「パワハラ防止法」とは?
パワハラ防止法は2020年6月に施行された法律となっており、被害を抑制するために作られました。パワハラ防止法では企業側に相談窓口の設置や再発防止の対策の実行を求め、行政の勧告に従わなかったときは、企業名が公表されます。
パワハラ防止法では「企業の方針等の明確化とその周知・啓発」「事後の迅速かつ適切な対応」なども記載されています。そのため、各企業における被害の抑制に繋がっていくことが期待できるでしょう。
どうしてもパワハラがつらい場合の対処法について
どうしても会社内でのパワハラに悩み、辛いと感じている場合は下記の方法が有効です。
- ボイスレコーダーなどでパワハラの証拠を録音する
- 会社内の相談窓口や人事部に内部告発する
- 労働局や労働基準監督署に相談する
- 弁護士に相談する
- 他社への転職を考える
いずれも会社内のパワハラから脱する実用的な方法になっています。社内や第三者機関に相談することでパワハラ対策が図れるので、自分の状況なども踏まえて無理のない範囲で行動しましょう。
まとめ
今回の記事ではパワハラにあたる言葉の一覧をジャンルごとにご紹介しました。新しく施行されたパワハラ防止法や、具体的な対策も合わせて記載しています。
現代ではパワハラ問題がニュースで多く取り上げられることもあり、社会問題として顕在化するようになってきました。ただ、今現在もパワハラによる被害がなくなったとは言えないのが現状です。
そのため、パワハラに悩む方や自分がパワハラに加担していないか不安になっている方は是非、今回の記事をご参考にしていただければ幸いです。