オウンドメディアとは、自社が保有するメディアのことを意味します。Web広告の効果が薄れてきている現代において、さまざまな企業に注目されているWebマーケティングの手法です。
ホームページとの違いについて、分からない方もいらっしゃるのではないでしょうか。この記事では、オウンドメディアとはそもそも何か、またメリットや運用方法について解説します。
オウンドメディアとはそもそも何?
オウンドメディア(Owned Media)とは、ホームページとは意味が異なり、自社が保有するメディア全般のことを意味します。広義では、広報誌や会社のパンフレットなどもオウンドメディアに分類されることもあります。
しかし、Webマーケティングの用語としては、自社が運営しているブログやコラムのようなウェブサイトを指しているケースが多いです。
オウンドメディアはなぜ注目されるのか
オウンドメディアが注目されるようになった背景は、Web技術の進化したことによって、低いコストで情報を発信できるようになったからです。
それまで、雑誌などの企業のマガジンを発行することで企業イメージや商品・サービスの認知度を高めていました。しかし、コストが多くかかるため、低コストなオウンドメディアが注目されるようになりました。
それ以外にも、オウンドメディアが注目されるようになった理由はさまざまあります。
Web広告の効果が薄れてきた
ネットユーザーが、広告を見てもスルーしてしまうようになり、Web広告では効果が発揮しなくなったことがあげられます。
広告の数があまりにも増えてきたため、ネットユーザーがネガティブなイメージを広告に対してもつようになりました。そのため、広告のイメージが低いオウンドメディアが注目されるようになりました。
検索エンジンの検索結果表示ルールが変化したため
インターネットが普及した初期のころは、キーワードを検索して表示される上位の記事と同じような内容の記事を作成するだけで、上位にサイトが表示される時期がありました。
しかし、これでは広告の効果が低下するためGoogleによる大規模な検索結果のルール変更を行い、類似したブログやコラムなどは検索の上位には表示されなくなりました。これによって、良質で信頼性のある記事が求められ、オウンドメディアが注目されるようになりました。
オウンドメディアを運用するメリット
ここでは、オウンドメディアを運用することで享受できる以下3つのメリットについて解説します。
- 低コストな広告の位置づけ
- 見込み顧客を増やせる
- ブランディングを効果的に実施
低コストな広告の位置づけ
オウンドメディアは、ネットユーザーの検索により自社サイトへの自然流入を狙ったコンテンツマーケティングであるため、広告という位置づけになりえます。
これまで、Web広告であるリターゲティング広告(一度サイトに訪れたユーザーを狙って配信できる広告)や、リスティング広告(ユーザーが検索したキーワードに合わせて表示される広告)にかかっていた広告費を大幅に削減できます。
そのためオウンドメディアは、広告やプロモーションの位置付けとして考えられるため、オウンドメディアを運営することによって広告費全体を抑えることが可能となります。
見込み顧客を増やせる
自社のウェブサイトを検索結果の上位表示が可能となれば、多くのユーザーのサイト流入が期待できるため、見込み顧客の発掘につながります。
オウンドメディアを継続的に活用することで、リスティング広告では費用対効果が低くなりやすい潜在層へのアプローチも可能となります。
ブランディングを効果的に実施
オウンドメディアは、企業にとって最適なブランディング効果が期待できます。なぜなら、ターゲットのユーザーに対し、価値のある情報を継続して発信することで、自社や商品・サービスの信頼度を高めることでファンへと育てることが可能だからです。
オウンドメディア運用の3つのポイント
ここでは、オウンドメディア運用における以下のポイントについて解説します。
- 運用の目的を明確にする
- 内製か外注するかを決める
- メディアに独自性を持たせる
運用の目的を明確にする
オウンドメディアは、運用する目的を明確にすることが重要です。なぜなら、目的を明確にせずとにかく記事を掲載するだけでは、検索上位を取れずに効果のないメディアとなってしまうからです。
オウンドメディアでよくある目的は、「リード(見込み顧客)の獲得」「会社や商品のブランディング」「求人応募の増加」です。
これらの目的を明確にし、独自性のあるコンテンツの作成を目指しましょう。
内製か外注するかを決める
オウンドメディアの運営は、内製での運営か外注をするかの2つに分かれます。内製で運営する場合、記事を社員が書く必要があります。
基本的に、毎日記事をアップすることが検索エンジンの評価を上げるとも言われているため、専任の担当者が必要となるケースが多いです。
一方、記事の作成を外注する場合は、「完全業務委託」、「記事制作のみ委託」「運用支援」があります。
完全業務委託
狙うキーワードの選定から、タイトル、見出し・構成(目次)の作成、本文の執筆に至るまでの全ての工程を外部へ委託する方法です。
社内のオウンドメディア担当者は、全体の確認をおこなうだけなので負担も軽く、他の業務をやりながらでも運営していくことが可能です。
この方法は、すべてを委託するためコストは高額になりますが、自社で人員を確保して専任し、ノウハウを学びながら運営する手間とコストを考えた場合、どちらが低コストであるかの判断が必要です。
記事制作のみ委託
オウンドメディアサイトの設計や企画を自社で実施し、コンテンツ制作、つまり記事の作成のみを委託する方法です。
大きなテーマを提示すれば、推奨するキーワードの選定から実施してくれる企業もあります。また、自社で選定したキーワードを渡すことで、構成案から制作してくれる企業もあります。
記事を自社で執筆する必要がないので、オウンドメディア担当者は企画や運用全体のマネージメントに注力することが可能です。
運用支援のみ
オウンドメディアの運用が軌道に乗るまで、運用の支援を実施してくれる企業もあります。
サービス内容は、委託業者によってさまざまありますが、ライティングのノウハウやSEO対策の基本を教えてくれたり、運営の戦略策定や運用のサポートをしてくれたりします。
メディアに専門性を持たせる
検索の上位を取るためには、自社のメディアの専門性が重要になります。なぜなら、その業界に特化した記事を量産することにより、検索エンジンからのメディアの評価が高くなり、記事が上位表示されやすくなるからです。
例えば、ネットワーク関連の企業であれば、電話や通信ケーブル、ルーターやスイッチなどのネットワーク機器に関する記事を作成します。
また、アパレル関係の企業であれば、その年のトレンド情報や、流行りのアクセサリーなどのコンテンツを発信します。
目的を明確にして専門性のあるオウンドメディアを
オウンドメディアの運営は、内製で運用するのか外注するのかによって、手間とコストのかかり方に差がでてきます。目的を明確にし、専門性のあるコンテンツを作成することが成功の秘訣です。