新型コロナウイルスの普及により交通費などの福利厚生がなかなか充足させられず企業の魅力づけがしにくくなりつつある昨今。新しい福利厚生として「従業員向けデリバリー」が生まれています。本記事では、福利厚生の重要性と新しい福利厚生の1つの参考として「従業員デリバリー」をご紹介します。
福利厚生とは
まずご説明するのは福利厚生って何なのか?です!
おそらく皆さん重々承知していると思いますが復習がてらご参照ください。
福利厚生とは、基本的な労働対価に対する報酬以外に、従業員やその家族へ向けた報酬のことをいいます。
・雇用保険
・労災保険
・健康保険
などのことです。
では、なぜ福利厚生を行うのでしょうか?
その理由は、採用戦略の1つだからです。というのも、新型コロナウイルス前は求職者優位の市場が続いており、自社を求職者に選んでもらうには給与以外にも魅力づけが必要でした。そのためには、金銭的、物理的なサポートが充実しており安心して働ける会社だというイメージを持ってもらい応募に繋げるために様々な福利厚生が生まれ実施されています。
福利厚生の重要度
では福利厚生はなぜ行う必要があるのか?福利厚生によるメリットから重要性をご紹介します。先ほどご紹介したものを含めなぜ企業は福利厚生を行うのかお伝えします。
採用力の向上
福利厚生を満足させることで採用力が向上することは先ほどお伝えした通り、金銭的や身体的に安心して働ける環境という印象を持ってもたうためです。
先ほどご紹介した保健周り意外にも
・パソコン貸与
・スポーツジム完備
・家族手当
などがあります。
このように、自社独自かつ求職者が入社したいと思う特典を付与することで採用力の向上に勤めています。
従業員満足度の向上
福利厚生は、入社した後の従業員満足度向上の側面も持っています。これにより受けられる恩恵は大きく分けて2つです。
①退職防止策の1つ。
新しい従業員の採用コストは1人約200万円などと言われる中、採用できても退職されてしまってはただのコスト無駄遣いになってしまいます。ただ、福利厚生を充実させることで他社よりも自社にいたほうが金銭的、身体的に得と思ってもらえれば退職防止に繋がると思います。
②生産性の向上
福利厚生を充実させることで、愛社精神に繋がり自社のために頑張ろうという気持ちの動機にもなります。おそらく、福利厚生がない企業よりもある企業の方が従業員が頑張ろうと思うというのは言われなくても分かりますよね!
節税対策
これは
・社内規定が整備されていること
・従業員全体が対象となっていること
・支出金額が、社会通念上妥当な範囲であること
という条件をクリアできれば福利厚生は経費として計上できます。従業員満足度や採用力向上になりつつも節税もできれるとなればやらない理由はないのではないでしょうか!?
新しい福利厚生「従業員向けデリバリー」とは
ここからが本記事の本題です。
福利厚生の重要性を理解した上で、最近は新しい福利厚生が様々生まれています。
理由はリモートワークにより交通費など既存の福利厚生の効力がなくなってきつつあるからです。リモートワーク視点での福利厚生は何ができるか?という視点が必要になってきます。
そこで最近生まれたのが「従業員向けデリバリー」です。
従業員向けデリバリーはその名の通り、従業員宅へデリバリー(食事を届ける)をするサービスです。後ほど具体的なサービス詳細をお伝えしますが、自社でチケットや事前に一定の金額分の商品を購入し従業員に配布するのが一般的なようです。
少し分かりにくいと思うので簡単なイメージをご紹介します。
◆従業員向けデリバリーサービスの流れ
①自社で福利厚生クーポンを購入
②購入したクーポンコードを従業員に配布
③従業員はもらったクーポンコードを入力しデリバリーを依頼
④昼食をデリバリーで無料でいただく
といった内容です。
なので、ディズニーチケットを会社で購入し配布するような認識で相違ないと思います。
「従業員向けデリバリー」を行うメリット
ではなぜ従業員向けデリバリーを行う必要があるのでしょうか?
その理由は2つあります。ぜひご参考ください。
食事補助が福利厚生で最も人気
食に関する福利厚生を実施する理由は、福利厚生の中で昼食補助などの食事補助が最も人気だからです。
一般財団法人日本経済団体連合会が行った「企業の福利厚生制度に関する調査」によると、
1位:昼食補助などの食に関する福利厚生
2位:住宅手当、家賃補助
3位:宿泊施設などの割引
が求職者に人気になっておりました。
参考:一般財団法人 日本経済団体連合会「企業の福利厚生制度に関する調査」
そのため、昼食補助などを行うことで多くの求職者の関心が引けることが分かります。また、現在リモートワークが普及していますが、それでも従業員へ還元できる手段としても注目を浴びています。
導入企業が少なく差別化を図れる
また、食事補助を福利厚生として導入している企業はまだ少ないという点も魅力です。先ほどと同じく一般財団法人日本経済団体連合会が行った「企業の福利厚生制度に関する調査」が行った調査によると食事補助を導入している企業は約15%となっておりました。参考までに住宅手当などは約60%の企業が導入しています。
参考:一般財団法人 日本経済団体連合会「企業の福利厚生制度に関する調査」
まだ、導入している企業が少ないということから新しい角度で企業のプロモーションができる手段になるのではないでしょうか。先進的な企業としてでも従業員への思いやりがある企業としてもきっと魅力あるプロモーションになるのではないでしょうか?
「従業員向けデリバリー」サービスの紹介
最後に、従業員向けデリバリーを実施しているサービスのご紹介です。
下記サービスを参考に導入をご検討してみてはいかがでしょうか?
出前館:福利厚生出前館クーポン
初めにご紹介するのは、個人向けデリバリーで有名な出前館です。
出前館は2020年11月に福利厚生クーポンというサービスをはじめました。
これは、会社が従業員用のクーポンを購入し従業員はそのクーポンを用いて無料で商品をデリバリーできるというサービスです。従業員が好きなものを配布された金額分注文できるので非常に手軽で自由度の高いサービスだと思います。
■価格
商品による
参考:出前館
株式会社OKAN:オフィスおかん仕送り便
続いてご紹介するのは、株式会社OKANという企業のサービスです。
もともと、オフィスおかんというオフィスへのデリバリーサービスを運営していましたがリモートワークの普及によりオフィスおかん仕送り便という自宅への配送サービスを始めたようです。
内容は、お惣菜がメインです。また、本当の仕送りのようなデザインで心温まる企業からの想いを届ける素敵なサービスだと思います。
■価格
お届け先1件あたり 2,980円(税抜)
参考:株式会社OKAN
まとめ
いかがでしたでしょうか。
まだ開始して日が浅いサービスが多く事例はご紹介できませんでしたが、新しい福利厚生として実施すれば求職者の目に止まる可能性は高いのではないでしょうか?
特に筆者はオフィスおかんの仕送り便は企業からの想いを伝えられる素敵なサービスだと思いました。日頃頑張ってくれている従業員へ向けての感謝を伝える手段として導入をご検討してみてはいかがでしょうか?
<参考>
一般財団法人 日本経済団体連合会:「企業の福利厚生制度に関する調査」