人事管理システムとは?導入するメリットやシステムを選ぶポイントを解説

中小企業が人事管理システムを導入するデメリットは1つしかありません。コストがかかることです。しかし、業務削減コストに「従業員1人×月300円」程度の予算を割けるのであれば、中小企業が人事管理システムを導入するデメリットは考えられません。

もし経営者が「全社員のフルネームを覚えられなくなった」と感じるほど、従業員が増えたら、人事管理システムの導入を真剣に検討してみてください。

人事管理システムとは

人事管理システムとは

●従業員マスタ管理

●人事異動情報管理

●昇格・降格情報管理

●評価・考課情報管理

●部署・組織情報管理

●データ分析

などの機能を備えたコンピュータ・システムです。

それぞれの機能について、1つずつ見ていきましょう。

従業員マスタ管理

従業員マスタ管理とは、従業員の氏名、住所、生年月日、家族、学歴、社歴、基本給、手当、待遇、資格などの個人情報を管理する機能です。

人事異動情報管理

人事異動情報管理は、入社から現在までに所属した部署、休職情報などを管理する機能です。人事異動の適切な時期を知ることができるほか、人事異動案を作成したり、辞令を発行したりすることもできます。

昇格・降格情報管理

昇格・降格情報管理は、昇格または降格した履歴を、実施時期と合わせて管理する機能。また、昇格条件にマッチした従業員を抽出したり、辞令を発行したりすることができます。

評価・考課情報管理

評価・考課情報管理は、評価または考課した内容を、実施時期と合わせて管理する機能です。評価・考課に関するデータを集計することができるほか、評価基準や考課項目の管理が可能です。

部署・組織情報管理

部署・組織情報管理は、部署や組織ごとに人事管理することができる機能です。組織図をつくることができます。

データ分析

人材に関するデータを適宜抽出することができるので、人事に関する分析が容易になります。個人データを抽出できるので、異動忘れや処遇忘れ、評価漏れや給与の支給ミスなどを予防することができます。

人事管理システムを導入するメリット

人事管理システムを導入すると

  • 従業員の能力を引き出せる
  • 業務の効率化
  • ミスの削減
  • セキュリティの強化
  • 公平な人事の実現

などが可能となります。それぞれのポイントについて、見ていきましょう。

従業員の能力を引き出せる

全従業員の能力を引き出すことができていないのに、業務の効率化や生産性の向上に取り組んでも、ロスが大きくなるだけです。従業員の能力を余すことなく引き出すために必要なこととして

●適材適所の配置

●適切な賃金額

●安心感の付与

●フェアな評価

●チャレンジングな業務内容

などが挙げられます。

従業員が少なければ、経営者は書く従業員の個性や特徴を把握することができるため、この5項目を達成できるでしょう。しかし、従業員が増えれば増えるほど、上記の5項目の実行率は低下していきます。

例えば、30人の従業員の適正を正しく判断して、6つの部署に適切に振り分けることは難しいもの。そこでおすすめなのが人事管理システムです。

人事管理システムを導入すれば、上記の5項目は簡単に実施できるでしょう。

経営者が、従業員Aと従業員Bの評価や業績をきちんと把握することができれば、適材適所の配置が可能となり、各従業員の持つ能力を引き出すことができるでしょう。

業務の効率化が図れる

Excel等によって人事に関する情報を管理することは重要です。しかし、人事に関する情報を管理する労力は大きいもの。

管理システムを導入すれば、人事に関する情報を管理する、という煩雑な業務を効率化することができます。

ミスの削減

人事管理には、給与計算など、雇用形態によって計算式が変わるものもありますが、人事情報をExcelなどによって管理している場合、計算式の入力でミスが起こることもあります。しかし、人事システムは雇用形態によって自動で計算式の変更を行います。

したがって、人事管理システムを導入することで、ミスを削減することが期待できます。

セキュリティ強化

人事管理システムはIDやパスワードを設定できるので、操作できる人を制限することができます。したがって人事管理システムの導入は、人事情報のセキュリティの強化につながります。

ただ、インターネットを使った人事管理システムを導入した場合、サイバー・セキュリティの問題がある、ということを念頭に置いておくと良いでしょう。

公平な人事の実現

人事管理システムを導入すると、人事情報をデータ化できるので、公平な人事を実施することができます。従業員は自分の人事はもちろん、自分と同期の人事にも注目しています。「なぜ私があの人より低い評価なのか」という疑義が生じると、パフォーマンスが下がることも。

正当な評価に基づく公平な人事の実現のためにも、人事管理システムの導入を検討すると良いでしょう。

人事管理システムは5種類ある

人事管理システムは

  • 勤怠管理
  • 給与計算
  • 労務管理
  • 人事評価
  • 採用管理

の5種類に分けることができます。

勤怠管理は、従業員の勤務時間の打刻や休暇の申請などをするもの。そして、給与計算は勤怠情報を基に、従業員の給与や賞与の計算を行います。また、労務管理は各従業員の基本情報や雇用保険・社会保険の申請などを行うものです。個人情報を取り扱うため、セキュリティの高いものが求められます。

人事評価は各従業員の評価や役職等の情報を管理するもの。社内教育などの人材育成に関する内容を管理できるものもあります。採用管理は応募者の基本情報や選考・面接日を管理するもの。新卒や中途採用、アルバイトやパートといった採用区分に対応しているものも多いので、自社に必要な機能を備えたものを選ぶと良いでしょう。

上記すべての機能を搭載した人事管理システムもありますが、個別の機能の人事管理システムも。搭載している機能によって料金等が異なるので、予算に応じて導入するシステムを選ぶと良いでしょう。

人事管理システムを選ぶポイント

人事管理システムを導入するとき、次の5点に注目してください。

操作性

人事管理システムを選ぶ際のポイントとして「操作性」が挙げられます。操作が難しいシステムの場合、せっかく導入したにもかかわらず、上手く活用できない。ということも。

「これならストレスなくスムーズに操作できる」と感じる人事管理システムを選びましょう。

クラウドかオンプレミスか

人事管理システムには、インターネット経由で機能を購入するクラウド・タイプと、自社にサーバを設置するオンプレミス・タイプがあります。クラウド・タイプは、システムを提供する会社のサーバーをインターネット経由で使用するもの。サーバーの導入が不要のため、すぐに使用することができるのがメリットとして挙げられますが、従業員数が多くなると利用料金が高くなったり、自社に合わせてカスタマイズすることができない、というデメリットも。

また、インターネット経由で利用するため、情報漏えいのリスクもあります。クラウド・タイプを導入する際には、セキュリティ対策をしっかり講じるようにしましょう。オンプレミス・タイプは自社にサーバーを置き、運用する方法です。サーバーの導入が必要なため、初期費用や導入までの時間がかかりますが、自社に応じたカスタマイズが可能。

買い切りなので、何年も継続して利用する場合、オンプレミス・タイプがおすすめといえるでしょう。

API連携

すでに何らかのシステムを導入している場合、そのデータを新しいシステムに移行する必要があります。その場合「API連携」という機能を持った人事管理システムの購入がおすすめです。API連携機能があれば、データを移し替えることができます。

コスト

クラウド・タイプの人事管理システムの料金は、安いところで従業員1人あたり300円程度。しかし、機能が多ければ多いほど、その料金は高くなります。コストを抑えるために機能が少なくてもいいのか、コストがかかっても機能が多い方がいいのか、自社に必要な機能が何なのかを考えて検討すると良いでしょう。

セキュリティ

クラウド・タイプの人事管理システムは、インターネットを使うため、情報漏えいの可能性が否定できません。クラウド・タイプを選ぶときは、システム・サービス会社の担当者にシステムのセキュリティについてしっかり尋ねるようにしましょう。

まとめ

各従業員の基本情報から評価や業績、給与や役職等、さまざまな人材情報を管理するのは大きな量力を必要とします。人事管理システムを導入すれば、人材管理に割いていた人材を他の業務に従事させることが可能となるので、人事管理業務の効率化を図りたい、と考えている経営者の方は、人事管理システムの導入を進めると良いでしょう。

<参考>

人事管理システムを比較!中小企業こそおすすめ?