企業のデータ管理・活用力を高めるにはデータベースソフトの導入が有効です。
ただし、導入前に検討すべきことや、ソフト自体の情報収集を疎かにしてしまっては、導入効果は半減。
そこで、効果的な導入のために知っておくべきことをご紹介します。
データベースソフトを導入するメリット
データベースソフトの導入によって得られるメリットとして、
・データを簡単に編集できる
・同じデータの共同編集ができる
・自動でバックアップできる
3点が挙げられます。
それぞれのポイントについて、簡単に紹介します。
データを簡単に編集できる
データベースソフトに格納したデータは簡単に編集することができます。
探したいデータの場所も簡単に検索できるので、あらかじめデータの場所を知っておく必要もありません。
同じデータの共同編集ができる
エクセルのように排他性のあるデータは、基本的に複数人での共同編集に不向きです。一方、データベースソフトであれば、排他性を気にせず複数人での同時編集が可能となります。
これにより、作業の生産性を高められます。
自動でバックアップできる
手動のバックアップを行う場合、どうしても避けられないことがあります。それは、ヒューマンエラーによる保存忘れです。
データベースソフトの自動バックアップ機能を利用することで、保存忘れによる手戻りの時間、こまめにバックアップを取る手間を省くことができます。
データベースソフトの選び方
データベースソフトは、ソフトごとに処理能力や機能、料金などが異なります。
そのため、まずは自社でデータを保管・活用する目的を明確にし、その上で必要な機能や支出などを設定することが必要です。
データベースソフトを選ぶ際には
・自社のエンジニアはデータベースを扱えるか?
・扱うデータの量はどの程度か?
・セキュリティのレベルはどの程度必要か?
・どのようなサポート体制が必要か?
・コストはどの程度が許容範囲か?
などを検討しましょう。
自社のエンジニアはデータベースを扱えるか?
ソフトの中にはプログラミングの知識がなくても使えるものもありますが、データベースソフトを導入しても、それを扱える人材がいなければ使いようがありません。
エンジニアがいない場合には、ITに強い人材がどの程度いるかを把握しておくとよいでしょう。
扱うデータの量はどの程度か?
データベースソフトによってデータの処理能力は異なります。実際のデータ量とソフトの処理能力に隔たりが生じると、追加コストが発生する事態を招きかねません。
自社がどの程度の量のデータを取り扱っているのか、しっかり把握しておくようにしましょう。
セキュリティのレベルはどの程度必要か?
データベースソフトによってセキュリティのレベルは異なります。
自社の取り扱う情報の種類や取引先の要求によって、セキュリティのレベルは変わってくるので、必要となるセキュリティのレベルを確認しておくようにしましょう。
どのようなサポート体制が必要か?
自社の人材でデータベースソフトを十分に使いこなすことができれば良いですが、自社の人材でデータベースを使いこなせないこともあります。
データベースソフトを選定する際には、外部のサポートが必要か否か、必要な場合はどのようなサポートが必要かを確かめておくとよいでしょう。
コストはどの程度が許容範囲か?
データベースソフトは、その機能やサポートを求める内容によって、コストが変わります。自社の予算はどれくらいなのか、上限を必ず確認しておきましょう。
おすすめのデータベースソフト10選
データベースソフトにはさまざまなものがありますが、ここでは、その中から
・MYSQL
・Oracle
・ACCESS
・PostgreSQL
・SQLite
・WaWaD-Be
・FireMaker
・Apache Cassandra
・SQLServer
・高速機関
という10のデータベースソフトについて、紹介します。
MYSQL
MYSQL(マイエスキューエル)は、シンプルで動きが速く、使い勝手が良いのが特長のデータベースソフトです。オープンソースのソフトウェアであり、世界でもっとも普及しているソフトの一つでもあります。
極力コストをかけずにデータベース管理をしたい場合、おすすめのソフトですが、公式なサポートを受けたい場合は、有料ライセンスの取得が必要になります。
Oracle
Oracle(オラクル)は、エラーや障害に強く、複雑な処理にも対応できる拡張性が特長のデータベースソフトです。MYSQLと同様、ユーザー数が世界でもトップレベルで、比較的複雑なビジネスプロセスを有する中堅・大企業に活用されています。
また、C言語が使用されているため、他のプラットフォームに移行しやすいという柔軟性も併せ持っています。
ACCESS
ACCESS(アクセス)は、Microsoft社が提供するWindows向けのソフトウェアです。シンプルな操作性が最大の特長であり、複雑な処理を実行したい場合は機能の拡張が必要となります。
個人や小規模の企業での住所管理システム、在庫管理システムなどの構築に適しています。
PostgreSQL
PostgreSQL(ポストグレスキューエル)は、多様な機能と拡張性の高さが特長のデータベースソフトです。MYSQLと同様、オープンソースであることから、導入コストを抑えることができます。
大規模のデータ量にも対応できる機能を有し、コストパフォーマンスが高いのが特徴です。
SQLite
SQLite(エスキューライト)は、軽量で動きが速いことが特長のデータベースソフトです。オープンソースのソフトウェアのため、コストを抑えることができますが、大規模のデータベースには向いていません。
また、セキュリティも高い水準とはいえないため、個人事業や副業での利用に適しています。
FireMaker
FireMaker(ファイルメーカー)は、視覚的に操作方法が理解できる設計で、直感的に作業が進めることができるデータベースソフトです。情報システムのハードウェアを自社で用意するオンプレミス型が基本ですが、WaWaD-Beのようなクラウド型も選択できます。
また、PCだけでなくスマートフォンやタブレットからもアクセスが可能です。
Apache Cassandra
Apache Cassandra(アパッチカサンドラ)は、Facebook社が大規模データの格納のために開発したソフトで、高い拡張性と障害が発生しにくい設計が特長のデータベースソフトです。
オープンソースであり、コストを抑えた運用ができます。
SQLServer
SQLServer(エスキューエルサーバ)は、Microsoft社の製品で、豊富な言語に対応していることが特長のデータベースソフトです。クラウド型でも提供されており、セキュリティの強さと処理速度に定評があります。
また、データベース操作のほとんどをマウスで行えるので、データベース管理に不慣れでも取り組みやすいのが特徴です。
高速機関
高速機関(こうそくきかん)は日本企業の(株)高速屋が提供するデータベースソフトです。独自の技術により、ごく一般的なサーバでも大量のデータを高速処理することができます。
大量のデータ分析や、一定のタイミングでまとまった情報処理を行う業種に適しています。
まとめ
データベースソフトの導入により、データ管理や集計作業の省力化・高速化による生産性の向上、ソフトの機能によるセキュリティの向上などの効果が得られます。これらが組織内外に与える好影響は、企業経営の大きな推進力となるでしょう。
今回、おすすめのデータベースソフトを10個紹介しましたが、それぞれの特徴を基に、自社のデータ管理と活用方法についてご検討されてはいかがでしょうか。
<参考>